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日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
20 巻, 2 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 古賀 奈保子
    2020 年 20 巻 2 号 p. 1-9
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/05/19
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:訪問栄養食事指導を実施している管理栄養士におけるワーク・エンゲイジメント(WE)との関連性に ついて明らかにし、訪問栄養食事指導を担う管理栄養士の今後の育成にWE を活用し、在宅療養高齢者の栄 養管理の推進に寄与することを目的とした。 方法:全国の病院や施設等に勤務する管理栄養士ならびに関東地域の1栄養士会の協力を得て紹介された管理 栄養士を対象者とした。調査時に訪問栄養食事指導を実施している管理栄養士(実施群)55人及び訪問栄養食 事指導を実施していない管理栄養士(非実施群)73人に群分けし、自記式無記名調査票を用いた横断的比較対 照研究を行った。調査項目は、調査項目は、「性」、「年齢階層」、「勤務状況(勤務先、雇用形態、勤務年数、勤務 地域、仕事の満足度)」、「訪問栄養食事指導の実施状況(実施の有無、実施上または実施できない問題点、実施 希望の有無)」、「仕事以外の地域活動の実施」、「WE(UWES-J 9項目版)」とした。 結果:実施群のWE は、非実施群と比較して高いことが示唆された。実施群は「仕事をしていると活力がみな ぎるようになる」、「職場では元気が出て精力的になるように感じる」といった「活力」、ならびに「仕事をして いるとつい夢中になってしまう」といった「没頭」の状態が高いことが示唆された。また、実施上の問題点とし て、人員確保、訪問栄養食事指導の低い認知度、実施方法やシステム構築がわからないこと等が挙げられた。 結論:管理栄養士による訪問栄養食事指導を推進するためにWE を活用することは有効と示唆され、WE を 高める個人の取り組みや環境整備について検討することが必要であると考えられた。 キーワード:訪問栄養食事指導、ワーク・エンゲイジメント
  • 長谷川 未帆子
    2020 年 20 巻 2 号 p. 10-22
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は、介護保険施設において、2018年度介護報酬改定後の栄養ケア・マネジメント(以下、NCM) のあり方とアウトカム(低栄養、誤嚥性肺炎による入院、施設内看取り及び在宅復帰)の関連について、横断 調査から検討した。 方法:特養1,928施設、老健1,126施設を対象とし、無記名調査票を郵送した。入所者100名あたりの過去1 か 月間の「低栄養の中・高リスク者数」、「誤嚥性肺炎による入院者数」、特養での過去1年間の「経口維持の施設 内看取り者数」及び老健での過去1 か月間の「在宅復帰者数」を結果変数とし、「低値群」(中央値以下)vs「高値 群」(中央値より大きい)に関連するNCM 関連要因を予測変数、入所者数及び平均要介護度を調整変数とした 多変量ロジスティック回帰により分析した。 結果:解析対象は特養283施設、老健181施設であった。「低栄養の中・高リスク者の低値群」と関連するNCM 関連因子は、「経口維持加算(Ⅰ)算定あり」、「ミールラウンド実施あり」、「文書による栄養情報連携あり」、「入 所前及び退所後の医療機関等との栄養情報連携あり」であった。同様に、各アウトカムとNCM プロセスが関 連していた。 結論:介護保険施設において、NCM 関連加算の算定、ミールラウンドを始めとした多職種による経口維持の 取組み、栄養情報連携の推進等によるNCM の取り組みが良好なアウトカムと関連することが示唆された。 キーワード:介護保険施設、栄養ケア・マネジメント、低栄養、経口維持、在宅復帰
  • 矢野目 英樹
    2020 年 20 巻 2 号 p. 23-28
    発行日: 2020年
    公開日: 2023/06/05
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究はArtz の基準中等度熱傷以上の患者への栄養ケア・マネジメントが入院期間に及ぼす影響につ いて明らかにすることを目的とした。 方法:著者らが勤務する病院(病床数460床の急性期病院)に、2005年~2020年に入院した熱傷患者301名の うち、Artz の基準中等度熱傷以上の患者は91名であった。期間1:2005~2009年(18名)、期間2:2010~ 2014年(39名)、期間3:2015~2020年(34名)の、在院日数、栄養介入率、24時間以内の経腸栄養開始率、推 奨エネルギー充足率、推奨たんぱく質充足率、血糖コントロール率について、後ろ向き傾向検定によって統 計的に比較した。 結果:熱傷患者に対する栄養ケア・マネジメントが整備された期間3(2015~2020年)では、期間1(2005~ 2009年)と比べて平均在院日数は18日短縮し、統計的有意差がみられた。栄養介入率、24時間以内の経腸栄 養開始率、推奨たんぱく質充足率は、期間が進むにつれて単調に増加する傾向がみられた(傾向検定による統 計的有意差がみられた)。 結論:熱傷患者への早期栄養介入による栄養ケア・マネジメントは、高度な専門施設でない一般施設でも入 院期間の短縮に寄与するものと考えられる。 キーワード:熱傷、栄養ケア・マネジメント、早期栄養介入、24 時間以内の経腸栄養、       推奨たんぱく質、入院期間の短縮
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