目的:本研究は、神奈川県指定障害者支援施設(以下、施設)入所者において①入所者の低栄養や摂食嚥下障
害及び多職種が取り上げた栄養ケア上の問題と経口維持の取り組みの実態はどうか、②低栄養と食事形態に
は関連があるか、③1年間の入院発生と低栄養、食事形態には関連があるか、の3 つのリサーチクエスチョン
を検証することを目的とした。
方法:6施設入所者359名を対象とした。平成28年9月30日(基準日)時点のBody Mass Index(BMI)や食事
形態、経口維持の取り組み状況、さらに1年間の入院の発生日を追跡した。基準日時点のBMI18.5kg/m2未満
を低栄養とし、低栄養の有無または食事形態を従属変数としてカイ二乗検定を行い、栄養ケア上の問題、経
口維持の取り組みの実態について検討した。また、低栄養と食事形態との関連をロジスティック回帰分析に
よって検討した。さらに、1年間の入院発生と低栄養の有無、食事形態の関連をCox 比例ハザード分析により
検討した。
結果:58名(17.1 %)に低栄養が認められたが、そのうち栄養マネジメント加算取得率は91.4 %であった。対
象者全体で経口維持加算Ⅰの取得率は0.6 %であった。
嚥下調整食の常食に対する低栄養のオッズ比は2.93[CI:1.22-7.00]であり、低栄養と食事形態は関連した。キ
ザミ食の常食に対する1年間の入院発生に対してのハザード比は2.29[CI:1.02-5.15]であり、1年間の入院発生
と食事形態は関連した。
結論:食事形態が入院リスクや低栄養に関連しており、特にキザミ食の入所者はハイリスク者であるため、
配慮が必要である。
キーワード:障害者、低栄養、ミールラウンド、入院、食事形態
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