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日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
19 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 川畑 明日香, 高田 健人, 長瀬 香織, 濱田 秋平, 藤谷 朝実, 杉山 みち子
    2019 年 19 巻 2 号 p. 1-11
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は、神奈川県指定障害者支援施設(以下、施設)入所者において①入所者の低栄養や摂食嚥下障 害及び多職種が取り上げた栄養ケア上の問題と経口維持の取り組みの実態はどうか、②低栄養と食事形態に は関連があるか、③1年間の入院発生と低栄養、食事形態には関連があるか、の3 つのリサーチクエスチョン を検証することを目的とした。 方法:6施設入所者359名を対象とした。平成28年9月30日(基準日)時点のBody Mass Index(BMI)や食事 形態、経口維持の取り組み状況、さらに1年間の入院の発生日を追跡した。基準日時点のBMI18.5kg/m2未満 を低栄養とし、低栄養の有無または食事形態を従属変数としてカイ二乗検定を行い、栄養ケア上の問題、経 口維持の取り組みの実態について検討した。また、低栄養と食事形態との関連をロジスティック回帰分析に よって検討した。さらに、1年間の入院発生と低栄養の有無、食事形態の関連をCox 比例ハザード分析により 検討した。 結果:58名(17.1 %)に低栄養が認められたが、そのうち栄養マネジメント加算取得率は91.4 %であった。対 象者全体で経口維持加算Ⅰの取得率は0.6 %であった。 嚥下調整食の常食に対する低栄養のオッズ比は2.93[CI:1.22-7.00]であり、低栄養と食事形態は関連した。キ ザミ食の常食に対する1年間の入院発生に対してのハザード比は2.29[CI:1.02-5.15]であり、1年間の入院発生 と食事形態は関連した。 結論:食事形態が入院リスクや低栄養に関連しており、特にキザミ食の入所者はハイリスク者であるため、 配慮が必要である。 キーワード:障害者、低栄養、ミールラウンド、入院、食事形態
  • 矢野目 英樹, 川井 千穂
    2019 年 19 巻 2 号 p. 12-18
    発行日: 2019年
    公開日: 2023/06/09
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:本研究は、特定集中治療室(ICU)等に管理栄養士を配置して48時間以内の早期経腸栄養投与に取り組 む重点的な栄養管理が在室日数や在院日数等に及ぼす効果について検証することを目的とした。 方法:著者らが勤務する病院(病床数460床の急性期病院)では、5年以上の入院患者の重点的な栄養管理(栄 養ケア・マネジメント)のキャリアを有し、ICU 等における栄養管理に必要とされる能力を有する管理栄養士 を配置し、2016年から早期経腸栄養プロトコールを用いて48時間以内の早期経腸栄養投与に取り組む栄養ケ ア・マネジメントをICU 等(10床)に開始した。運用後の2017年度入室患者(360名)と、運用前の2011年度 入室患者(295名)の48時間以内の早期経腸栄養開始率、28日死亡率、在室日数及び在院日数について、後ろ 向き前後比較によって統計的に比較した。 結果:運用後の2017年度は運用前の2011年度に比べて、ICU 等入室患者の早期経腸栄養開始率が25.3 %増大し、 28日死亡率は14 % 減少した。ICU 等の在室日数は中央値で3日、在院日数は中央値で13日減少し、いずれ も統計的有意差がみられた。 結論:ICU 等に管理栄養士を配置した重点的な栄養管理は、ICU 等における在室日数や在院日数を短縮し、 ICU 等の入室患者の早期の離床や退院に寄与するものと考えられる。 キーワード:管理栄養士の配置、特定集中治療室、早期経腸栄養、栄養ケア・マネジメント、       早期の回復と退院
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