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日本健康・栄養システム学会誌
Online ISSN : 2758-3309
Print ISSN : 2432-3438
13 巻, 2 号
選択された号の論文の2件中1~2を表示しています
  • 田中 和美, 高田 健人, 大矢 未帆子, 杉山 みち子, 川久保 清
    2013 年 13 巻 2 号 p. 16-24
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/07/28
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では,介護保険施設入所者の栄養ケア・マネジメント( Nutrition Care and Management: 以下NCM )において,認知症高齢者の食事中の徴候・症状別に対する栄養ケアの有効性を検証することを 目的にした。11 項目の認知症高齢者の食事中の徴候・症状に対するNCM を行った介入群108 名と,通常の NCM を行った対照群36 名のBMI ,食事摂取量(主食,副菜,全体の喫食%),認知症高齢者の食事中の徴候・ 症状の頻度( 5段階)を1 か月毎に3 か月間モニタリングを実施し,有効性を検証した。 介入群の【拒食】【傾眠】【徘徊・多動】の頻度は,3 か月後に軽減が見られた。介入群の食事摂取量は,全体, 主食,副菜ともに,3 か月の全期間にわたって増大がみられ,特に介入後1 か月後に増大がみられた。BMI は1 カ月後に増大がみられた。対照群では,認知症高齢者の食事中の徴候・症状の頻度の軽減は見られず, 食事摂取量も増加しなかった。 以上の結果から栄養ケアの介入は,一部の認知症高齢者の食事中の徴候・症状の頻度の軽減と,認知症高 齢者の低栄養状態の改善に有効であることが明らかになった。 キーワード:認知症高齢者の食事中の徴候・症状,低栄養状態,介入研究,栄養ケア・マネジメント,介護保険 施設入居者
  • 梶井 文子, 杉山 みち子, 葛谷 雅文
    2013 年 13 巻 2 号 p. 25-36
    発行日: 2013年
    公開日: 2023/07/28
    ジャーナル オープンアクセス
    目的:介護老人福祉施設において,終末期にある高齢者が最期まで経口摂取をあきらめずに「食べ ること」を支援するために,医師・看護師・管理栄養士・介護職による栄養ケア・マネジメントの構造とし ての栄養ケア内容の妥当性を検証した。 方法: 17 施設の平均協力人数は,医師は8 名,看護師は15.3 名,管理栄養士は16.7 名,介護職14.3 名であっ た。デルファイ法により,163 項目の「食べること」を支援する看取りのための栄養ケア・マネジメント項目 に関する質問紙調査を3 回実施し,第3 回目は,全138 項目のうち,全職種共通の「終末期以降の病態のア セスメント」17 項目,「本人と家族のニーズのアセスメント」16 項目,「施設体制についての内容」29 項目の他, 各職種の栄養ケア関連項目として医師8 項目,管理栄養士40 項目,看護師18 項目,介護職10 項目となった。 結果:内容妥当性指数が0.8 % 以上の項目が127項目(92.0 %)に確認された。職種間で共通してアセスメント が必要な終末期以降の病態,本人家族のニーズの把握に関する内容と方法,施設内での体制,各職種内での専門 的な栄養ケアに関する具体的な項目について,一定の水準以上の内容妥当性指数と,評価者の一致を確認できた。 結論:多職種間で合意された終末期の高齢者の食べることを支援する栄養ケア内容は,各職種の具体的な 役割を明確にするととともに,多職種間における栄養ケア実践の質の向上につながると示唆される。 キーワード:介護老人福祉施設,終末期,栄養ケア・マネジメント,多職種,デルファイ法
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