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Jp 05

Page 1

計測

45nmへ向けた分光エリプソメトリ膜厚測定 Arun R. Srivatsa -– KLA-Tencor Corporation

分光エリプソメトリ(SE)は、近年の半導体工場において、薄膜を生産ラインで管理する上で不可欠で重要なテクノロジであ る。今回、スペクトルの安定性向上、短波長の使用、その他多くの改善によって、SEテクノロジは膜厚および屈折率の測定 のほかに、65nmおよび45nmノードでの窒化酸化膜、ボロンでドーピングされたシリコンゲルマニウム(SiGe:B)、high-k材料な どの、多くの膜の組成の測定も可能としたので、それを紹介する。

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r ia l at e dM re ee in rial ate ng M Co Ti

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65nmや45nmノードに向けて新しい材料や構造が出現する 中、薄膜の測定技術に対する要求がますます複雑さを増し、 測定バジェット(許容値)は厳しくなっている。いくつかの主 要プロセスでは、もはや膜厚と屈折率のモニタリングだけで はプロセス管理に不十分で、組成、多孔率その他のパラメー タを測定、あるいは推察しなければならない。これらのパラ メータで光学特性が体系的にばらつくことを利用し、分光エ リプソメトリ(SE:Spectroscopic Ellipsometry)の応用分野におい て達成された最近の技術的進歩によって、High-kゲート絶縁 膜、窒化ゲート酸化膜、BドープSiGeなど多様な材料の組成 監視のために、SEは研究開発や生産環境にうまく採用されて きた。新しい材料や複雑な構造を取り扱うにあたって、プロ

G PS

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Substrate

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図1:これまでの技術ノードに比べ早いペースで、非常に複雑な多 くの新規材料が導入されている

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セス管理に関する重要な課題や要求があり、光学的薄膜測定 技術を使った新しいアプリケーションデータや将来性のある ソリューションが検討されていくだろう。 複数の分野における課題

65nmや45nmノードでは薄膜の測定技術は複雑になり、よ り精度が求められるようになるだろうという見解にはほと んど異論がない。その傾向は、しだいに厳しくなるプロセ スウィンドウと測定許容値(一般的な経験から言えば、トー タル膜厚の測定バジェットはプロセスバジェットの10%以 下)と共に、他の二つの要因によって促進される。つまり、 フロントエンドとバックエンドのどちらにおいても多くの 新材料や革新的な構造が導入されることと、モニターウェ ーハ膜厚を生産ウェーハの代わりに測定するやり方から生 産ウェーハ膜厚の測定に変更されること、である(1-5)。 フロントエンドでは、多くの新材料導入によって測定やプ ロセス管理上の新たな課題が生み出される。まず、Si基板か らSOI(Silicon On Insulator)基板へという緩やかな移行である。 これらの課題は新たな要求を生み出す。SOI基板では、薄膜 表面Si層と埋め込み酸化膜の膜厚と均一性のモニタリングが 必要である。また、SOI基板を使用すると、ゲート絶縁膜と 多層構造の測定が非常に困難になる。表面Si膜はHeNe波長 (633nm)で透明なので、複数パラメータ測定(ゲート酸化膜、 表面Si膜、埋め込み酸化膜を同時に測定)となり、これは標 準的な固定アングルの単一波長エリプソメータ(SWE:Single Wavelength Ellipsometry)では測定不可能である。 Siチャネルに歪みを導入するため複数の方法が試みられてい る。例えば、圧縮しながらチャネルに圧力をかけるためBド ープBSIG(Ge、B、そしてBドープSiGeの膜厚を監視する必要 がある)をソース/ドレイン領域に使用したり、チャネルに引 張応力や圧縮応力をもたらすため高圧をかけた窒化層(応力 19


計測 監視)を使用したりするのである。プロセス管理の要求や方 法は使用するパスによって異なる。ゲート酸化絶縁膜はよ り薄膜化し、より高濃度に窒化されるので、膜厚と酸化膜 中の窒素濃度のどちらも管理する必要性がでてくる(図1)。

ス管理にin-die測定が必要である(6)。通常、生産ウェーハ測定 はスクラブレーンの大きなパッド上で行われる。微細化が進 むと、多くのクリティカルなプロセスが影響を受ける。例え ば、シャロートレンチアイソレーション(STI:Shallow Trench Isolation)では、スクラブレーンのパッド上におけるCMP率と ダイ中のCMP率の相関関係が著しく乏しい。STIのプロセス 管理には酸化膜と窒化膜積層のin-die測定が必要である。

High-kゲート絶縁膜は45nmノードで採用されることが最有 力視されている。候補に挙がっているHfSiOxNyのような材料 は、効果的なプロセス管理のために複数の要素/組成を同時 に監視する必要がある。より多くの変数を監視する難しさに 加え、これらパラメータからの誤差幅が全体的な測定許容値 に食い込んでくる可能性があるので、各変数の許容値は一 般的に厳しくなる。High-k膜の計測に関連したさらなる課題 は、High-k絶縁膜とSi膜の間にあるメタルゲート電極と界面 層の監視である。フロントエンドプロセスでは、キャパシタ 用に2層(バイレイヤー)構造とナノラミネートベースのHigh-k材 料積層構造も導入されている。

膜厚計測問題の解決

多くはSEをベースとした光学薄膜計測が、ファブ全体を通 してプロセス管理に広く使われている。SEは、モニターウ ェーハ、生産ウェーハのどちらの測定にも使われる、高速 の非破壊法である。SE法は2つの主要な要素から成る。つま り、膜からの情報を抽出する高いスペクトル忠実度を持っ たハードウェアと、スペクトル情報とアルゴリズムツール を使って実行可能なソリューションを作り出すアプリケー ション技能である。両分野における最近の進歩によって、 研究開発と生産環境のどちらにおいても複雑な膜の組成が 監視できるアプリケーションのような、実行可能なSEベー スのソリューションが生み出された。

フロントエンドプロセスでは多くの問題が起きているが、 バックエンドプロセスでもLow-k材料とCuが重大な問題をも たらしている。Low-kのCドープ酸化膜(CDO:Carbon-Doped Oxide)を関連するバリア層やエッチストップ層と共に使用す ると、より複雑な積層構造でより厳しい測定管理が要求され る。そして、多孔質Low-k絶縁膜は複雑さを増す。なぜなら、 現在のところは孔のサイズや分布は生産監視に不必要なパラ メータに思われるかもしれないが、多孔性と誘電率の一方あ るいは両方の推測は生産管理に必要なものだからである。

ハードウェアの主な技術向上とは、スペクトルの安定性を 高めることにつながった光学技術の進歩や、SEをDUV波長 (∼150nm)まで延命したことなどがある。これら2つを組み合 わせると重要な要素になる。なぜなら、DUV波長への延命 は、これらの波長でよりすぐれた吸収率を持つ薄い絶縁膜 からのより多い情報抽出を可能とし、スペクトルの安定性 は解像度を上げて測定誤差幅を最小化し、ますます厳しく なる要求を満たすのに役立つからだ。

生産ウェーハを検査するという傾向は、特に300mmのモニタ ーウェーハをなくしたいという願望が背景にあることが大き い。ダイのばらつきとスクラブレーンにおけるより大きい形 状ばらつきの相関関係が乏しいので、場合によってはプロセ

Residual spectral errors SpectraFx 0.03

Error-SE1

0.02

0.02

Error-SE2

0.01

0.01

SEα

SEα

ASET-F5x 0.03

0.00 -0.01 -0.02

Error-SE3 Error-SE4 Error-SE5

0.00 -0.01

300

400

500

600

-0.02

700

300

400

500

600

700

300

400

500

600

700

0.02

0.02

0.01 0.00

SEβ

SEβ

0.00 -0.02

-0.01 -0.02 -0.03

-0.04

-0.04

300

400

500

600

700

図2:スペクトル残差はすべての波長でゼロに近く、残差の「痕跡」は最新のSEシステムで再現性がある

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計測 スペクトル安定性は、薄い酸化膜からスペクトル誤差(測定 スペクトルと理論スペクトルの差)を評価することによって 容易に判断できる。我々の装置を用いた例で示している通 り2つの世代のSEシステム(ASET-F5xとSpectraFx)のスペクトル 品質を調査した(図2)。新しいSpectraFxの残差は、すべての波 長でかなり小さく、ゼロに近いようだ。これら生産装置上 での誤差の大きさは、同様のテストを使って研究レベルの システムから得られた誤差と同等であることが分かった。 同じように重要なのは、この最新のSE装置に見られる、残 りの小さい残差の「痕跡」はどの装置でも事実上同じよう だ。スペクトルの観点からいうと、測定ハードウェアは本 質的に合致する。高いスペクトルの安定性とシステム間ばら つきの少なさは、最も難しい膜アプリケーションに対して求 められる極めて厳しい要求を満たすためのカギである。

SE vs XPS %SiO2 in HfSiOx

a)

%SiO2 (SE)

50%SiO2

y = 0.9881x + 1.0923 R2 = 0.9954

%SiO2 (XPS) %SiO2

%SiO2 (SE)

b)

25%SiO2

y = 0.8012x + 11.828 R2 = 0.9096

%SiO2 (XPS)

%N (SE)

%N

8%N

y = 1.1088x + 1.0751 R2 = 0.9676

%N (XPS)

図3:(a) SEを使ったHfSiOx膜の組成監視と、(b) SEを使ったHfSiOx膜 中の2組成同時確認

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薄いゲート絶縁膜の光学的監視と言えば、浮遊分子吸着汚 染(AMC:Airborne Molecular Contamination)の問題は避けて 通れない。詳細な議論も行われている。AMCに対応するた め、エリプソメトリ技術と脱着装置(desorber)を使って、膜 厚と薄いSiONゲート絶縁膜中のN濃度を監視しようと、生 産実績のある実行可能なソリューションが作成された。こ のソリューションでは、実験計画法(DoE:Design of Experiments)のあらゆる地点で、測定SEパラメータとN濃度のベー スラインデータ間によい相関関係が繰り返し示された。現 在、この光学ソリューションタイプは世界中のいくつかの ファブでうまく実行されている(7)。 High-kゲート膜の光学的計測

候補に挙がっている材料はほとんどがHfベースの酸化物あ るいはケイ酸塩で、HfO2、HfSiOx、HfSiOxNyなどがある。こ れらの材料と共に、通常、20∼40ÅのHigh-k絶縁膜とSi膜の 間に膜厚5∼10Åの界面層がある。この界面層はバルクHighk材料より誘電率が低い。通常のプロセス管理方法は、 High-k絶縁膜とSi間の界面層を電気的に監視することに加 え、膜厚とバルクHigh-k絶縁膜の組成監視に頼っている。 これらのHigh-k材料の光学的特性は組成によって体系的に ばらつく。特に150nmまでのDUVという短波長では吸収率 が増加するため、これらの材料に対して感度が上がる。こ の情報を使い、ハードウェア、アルゴリズム、アプリケー ション方法における最近の進歩を利用することで、SEは2つ の組成パラメータを同時に監視することができる。 開発ファブで行われたHigh-k膜組成の光学的測定の例とHfSiOx DoEの結果を図3に示す。この例では、SEはHfSiOx膜中のSiO2濃 度をマッピングし出力するために使われた。HfSiO x膜中の 50%近いSiO2濃度のばらつきという広範囲な組成が、複数の ウェーハを使ったDoEの各地点でサンプリングされた。X線 光電子分光装置(XPS:X-ray photoelectron spectroscopy)は参考 技術として使用された。XPSとSEの両方を使って、DoEに基 づき、各ウェーハ全面(中心からエッジまで)21カ所の測定が 行われた。光学モデルを作成するため150nmまでのDUV波 長が使われた。その結果、組成についてのSE出力と、DoE各 地点でのXPSベースラインデータとDoEでの各ウェーハ内 XPSベースラインデータの間に強い相関関係が見られた。 HfSiOxNy膜については、膜中のSiO2濃度とN濃度の両方を同 時に計算するため、最近開発されたアルゴリズムモデルが 使われた。そして、DoEの広範囲な組成とともに変わる各ウ ェーハ内の組成ばらつきを追跡する能力を確認するため、 HfSiOx膜同様、DoEに基づいて各ウェーハ面内21カ所が測定 された。ここでも、DoEでサンプリングされた広範囲な組成 でのベースラインデータとよい相関関係が見られる。 2層(バイレイヤー)構造の監視

High-k材料と同じく、SiGeの光学特性はGe濃度の増加によ って体系的なばらつきがある。高濃度Bドープは光学特性に 二次的な影響を与える。単層のBドープSiGeと2層のSiキャッ プ/BドープSiGe/Si構造の両方を同じレシピで測定するため、

21


計測 比較的一定のB濃度(いくらかばらつきあり)のDoEを使い、 Ge濃度に体系的なばらつきをもたせて、SEベースの光学ソ リューションが作成された。BドープSiGe層中のGe濃度に加 え、BノードSiGe層とSiキャップ層の膜厚が同時に測定され た。ここではX線回折(XRD:X-ray diffraction)と二次イオン質 量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)がベースライ ン技術として使用された。先に述べた他のアプリケーショ ン同様、Ge濃度の光学的測定とベースライン技術間の優れ た相関関係が達成された。

に示す。このBEOLにおける6層Low-k膜の測定では、もたら された変化を正確に予想する測定の信頼性を評価するため、 単一レシピ、7枚のウェーハでDoEが実行された。合計16個 のパラメータが同時に測定された。つまり、膜厚とトップ酸 化膜(膜厚のみ測定)を除くすべての層のnとkである。単一レ シピを使って、この7枚のウェーハのDoEに同時にもたらさ れた様々な変化が正確に予想できるようだ。異なる色で囲ま れたところはミッシングレイヤー、二重蒸着層、半蒸着層、 膜厚にランダムなばらつきを持つ層を示す。

生産環境で複数のパラメータを同時に追跡調査する能力は 図4の結果に見られる。BドープSiGeとSiキャップ膜厚はお およそ似ているがGe濃度は異なる4枚のウェーハを使った DoEの結果がプロットされる。標準的な9カ所Prometrixパタ ーンを使って、ウェーハの中心からエッジまでの測定が行 われた。BドープSiGe層の名目膜厚は1000A以上で薄いSiキャ ップ層を持つ。9ヶ所のパターン内では、異なるGe濃度で、 リアクタの特徴がBドープSiGeとSiキャップの各膜厚で再現 される。また、生産環境における3装置からのデータは、異 なるパラメータに対する結果がよく合致することを示して いる。前述のスペクトル忠実度のお陰で、装置間ばらつき の低減が可能である。

300mmウェーハでは、モニターウェーハから生産ウェーハ での測定へその比率を高めている。モニターウェーハ上で は、シンプルな計測と個々の膜やプロセス監視が容易であ る。生産ウェーハでは多層スタックの中の同じ膜やプロセ スを監視することが要求される。測定はより複雑になるが 個々の膜やプロセスに対する計測要求は変わらない。なぜ なら、より多くのパラメータが積層中で同時に測定されな ければならないからだ。スペクトル安定性と装置間スペク

Multiple parameter tracking %Ge in the SiGe:B layer in Si-cap/SiGe:B/Si

超薄膜ONO積層測定技術

wfr4

190SEシステムと150SEシステムが持つプロセス変化を正確 に追跡する能力についてモニターされた。両システムは、 高精度で窒化膜の膜厚を追跡する。190SEシステムは、窒 化膜厚50Åまでトップとボトムの酸化膜厚に対して均一な 反応を示すが、それ以下の窒化膜厚になると酸化膜間のず れや相関を示し始める。150SEシステムは、デザインルー ルを通じ、DoE全体に渡って、トップとボトムの酸化膜厚 に対し均一の反応を示す。よって、50Å以下の窒化膜を持 つ薄いONO積層のプロセス監視には150SEシステムが推奨 される。 多層、複数パラメータの測定

優れたスペクトルの安定性と信頼性のあるアルゴリズムを持 つ最新のシステムを使って達成された測定タイプの例を表1 2007年冬号 歩留まり管理ソリューション

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%Ge

10%range

wfr3

wfr2 Tool A

wfr1

Tool B Tool C

Si-cap thickness in Si-cap/SiGe:B/Si

wfr1

wfr2

wfr3

wfr4

Nom Tool A Tool B

Si-cap thickness (Å)

Nom + 40Å

Tool C

Nom - 40Å

SiGe:B thickness in Si-cap/SiGe:B/Si Nom + 150Å

wfr1

wfr2

wfr3

wfr4

Nom Tool A Tool B Nom - 150Å

SiGe:B thickness (Å)

薄い酸化物/窒素/酸化物(ONO)膜の積層はDRAMとフラッシ ュメモリー積層のどちらにも使われる。90nmノードではフ ローティングゲートフラッシュのターゲットN膜厚は50Å以 下である(65nmでは30Åまで縮小するかもしれない)。これは トップとボトムの酸化膜間で極めて高い相関関係が要求さ れるので難しい測定となる。この相関の程度は2つの酸化膜 を分ける窒化層の膜厚によって決定される。なぜなら、窒 化層が薄膜化するにつれて相関が著しく強まるからだ。窒 化膜は短波長で吸収率が上がるので、短波長を使うことに よってトップとボトムの酸化膜間のコントラストが増加す る。これらの測定を可能にするため、SE技術は、50Åの窒化 膜を持つONO積層向けDUV波長(190nm)まで、そして30Åま で薄膜化された窒化膜を持つ真空紫外(VUV、150nm)にも対 応できるように延命されなければならない。

Tool C

図4:SE装置を使った、DoEに基づく、異なるGe濃度でのSiキャッ プ膜厚とBドープSiGe層の膜厚と組成。生産環境におけるツール間 の良好なマッチングが特に重要である

22


計測 トルばらつきの減少が多層膜ではより重要になる。6層スタ ックにおける複数パラメータの測定例は、この技術力が進 化したことを示している。しかし、典型的な生産環境では これほど多くのパラメータを同時に測定することはないと いうことを言及しておかなければならない。

謝辞

著者は、きめ細かい技術的議論に加え、文中の数値や図 表などを提供してくれた、同僚であるKLA-Tencor社の Arun Chatterjee氏、Torsten Kaack氏、Zhengquan Tan氏、Sungchul Yoo氏、Shankar Krishnan氏、そして、STMicroelectronics社 のSimona Spadoni氏、Rosella Piage氏、Davide Lodi氏に感謝の意 を表する。

将来に向けたSE

注:この記事は、『Semiconductor International magazine』2006年12月号に発表さ れたものである。

SEは今日のファブにおいて膜厚の生産モニタリングのため に選ばれた技術である。スペクトル安定性のさらなる向 上、より短波長に向けたSEの延命、ハードウェア、アルゴ リズム、アプリケーション能力の向上によって、SE技術を 使った、超薄膜から厚膜までの組成といった、追加的パ ラメータを計測することが可能となり、これは、65nmや 45nmノードに向けて複雑化する測定要求を満たす可能性 を秘めている。現在、SEベースの光学膜厚測定技術は、窒 化酸化膜(ONO)やBドープSiGeを含むいくつかの複雑なプロ セスとHigh-k材料の開発において組成をモニタリングする ために採用されている。複数の分野における最近の技術的 進歩が、生産ウェーハでの測定と複数パラメータ、多層測 定への移行を加速させている。これらの進歩が継続される と、SEベースの膜厚測定技術は45nm以降の生産における測 定でも主要な技術であり続けるかもしれない。

参考文献 1. International Technology Roadmap for Semiconductors, http://www.itrs.net. 2. Y.-C Yeo, Q. Lu, T.-J King, C. Hu, T. Kawashima, M. Oishi, S. Mashiro and J. Sakai, Proc of the International Electron Devices Meeting (IEDM), p. 753, 2000. 3. H. van Meer and Kristin De Meyer, 2002 Symp. on VLSI Technology, Digest of Technical Papers, p. 170 2002. 4. H.S.P. Wong, IBM Journal of Research and Development, V46, N2/3, 2002. 5. David Lammers, EE Times, 4/4/2005. http://www.eetimes.com/showArticle.jhtml?articleID=160401538. 6. Arun R. Srivatsa, Yield Management Solutions, Winter 2005, p. 22. 7. Sungchul Yoo, Zhiming Jiang, Eric Wang and Zhengquan Tan, YMS Seminar, Semicon West, San Francisco, July 2006.

Seven-wafer DoE of six-layer low-k stack Wafer 5

Wafer 6

Wafer 7

Ox

Wafer 4

Thickness

Mean

650.6

1048.5

9.9

1007.5

1019.9

1045.4

1001.3

SiC(1) Low-K SiC(2)

Wafer 3

Thickness

Mean

653.4

577.3

613.6

647.2

617.0

593.9

649.4

RI @ 633 nm

Mean

1.7161

1.7224

1.7370

1.7075

1.7193

1.7210

1.7095

Thickness

Mean

2568.9

2640.4

2513.1

2575.5

1238.1

4939.2

2561.6

RI @ 633 nm

Mean

1.3807

1.3640

1.3805

1.3662

1.3785

1.3713

1.3647

Thickness

Mean

423.4

414.8

419.6

789.4

412.9

418.4

363.3

RI @ 633 nm

Mean

1.8548

1.8384

1.8472

1.8368

1.8418

1.8441

1.8394

Low-K

Wafer 2

Thickness

Mean

1266.1

4921.4

2491.6

2551.3

2501.1

2468.0

56.4

RI @ 633 nm

Mean

1.3943

1.3923

1.4042

1.3907

1.3925

1.4069

1.4153

SiN

Wafer 1

Thickness

Mean

524.0

529.2

526.7

526.2

515.6

521.3

559.3

RI @ 633 nm

Mean

2.0350

2.0317

2.0443

2.0361

2.0572

2.0526

2.0594

表1:この6層low-k積層ウェーハ7枚のDoE測定の信頼性は、ミッシングレイヤ、二重蒸着層、半蒸着層、積層膜のばらつきをランダムに使用して テストされた

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