2024 年 23 巻 2 号 p. 1-8
目的:障害者通所支援事業所(生活介護)利用者における摂食嚥下機能の低下と低体重との関連を検討した。 方法:全国64 通所事業所を対象に基本属性(性、年齢、障害種)、体格(身長、体重)、食事状況(食事介助、 奥歯で噛みしめていない、食事中にむせ込みがある)を調査した。「奥歯で噛みしめていない」及び「食事中 にむせ込みがある」と低体重(BMI:18.5kg/m2 未満)との関連をロジスティック回帰分析(単変量及び多変量 モデル)によって検討した。 結果:多変量モデルにおいて、「奥歯で噛みしめていない」者は、「奥歯で噛みしめている」者に対して、低体 重のオッズ比は1.86〔95%信頼区間:1.03-3.35〕であり、「食事中にむせ込みがある」者は、「食事中にむせ込み がない」者に対して、低体重のオッズ比は3.39〔1.80-6.40〕であった。 結論:摂食嚥下機能の低下は低体重と関連する要因であり、特に「食事中にむせ込みがある」は強い関連があった。 キーワード:地域在住障害者、摂食嚥下、低体重