DeNA、ビジネスも好発進 スポンサー収入コロナ前超え
横浜DeNAベイスターズ広報 丸形佳之
4月下旬から5月中旬までセ・リーグの首位に立つなど、2023年シーズンの横浜DeNAベイスターズは上々のスタートを切りました。順調に滑り出したのはチームだけではありません。スポーツビジネスの収益源はチケット、飲食・グッズ、放映権、広告・スポンサーの4つの柱で構成されているのですが、チケットでは本拠地・横浜スタジアムの最多動員記録となる3万3202人を5月3日の広島東洋カープ戦で達成しました。
広告・スポンサーについては、23年シーズンの横浜スタジアムでの主催試合(本拠地開幕戦を除く)の全てで協賛企業の社名が付いた「冠試合」の実施が決まっているほか、新型コロナウイルス禍前のシーズンを上回り過去最高のスポンサードをいただいています。 今回のコラムでは、ベイスターズをビジネス面から支える広告・スポンサーについて、営業部部長の前田健太に話を聞きました。
前田「2020年シーズンは試合自体が一部中止となってしまった影響がありましたが、基本的にはベイスターズへのスポンサードは年々増加傾向にあります。21年、22年シーズンは来場者数の制限や応援の規制などコロナ禍の影響が残っていたものの、それぞれ過去最高となるスポンサードをいただきました」
「私たちはスポンサー様の多様なニーズにお応えできるよう、ユニホームの胸スポンサーやマウンド広告といった新たな広告媒体の開発をしてきました。加えて広告媒体だけにとらわれないパートナーシップの取り組みも広げてきました。お付き合いいただくスポンサー様の数が増えたことが、結果としてコロナ禍でも過去最高のスポンサードにつながったと考えています」
前田「スタジアム来場者の属性を分析すると、22年は男性が約6割、女性が約4割でした。年齢層でみても、若い方から高齢の方まで満遍なく幅広い方々にお越しいただいています。スタジアムではそうした方々が球団という知的財産(IP)を軸に非常に高い熱量のコミュニケーションをしています。23年シーズンは声出し応援が復活し、球団としてもファンの皆様との一体感を醸成するために様々なイベント企画に取り組んでいます。単にスタジアムに熱気が戻っただけではなく、コロナ前よりも球場の一体感は高まっていると感じます」
「そうした輪のなかにスポンサーとして参画し、時にはサイングッズやチケットを活用したキャンペーンを実施することによって、ビジネス的にも確かな効果を実感いただけているのではないでしょうか。『熱狂の輪』をつくれることが我々の魅力であり、スポンサーの皆様に評価されている点だと考えています」
前田「スポンサー様と球団、双方のビジネスの発展に一層寄与する取り組みとして、マルハニチロ様、KDDI様、ウシオ電機様、花王(ビオレ)様とパートナーシップ契約を結ばせていただいております。花王(ビオレ)様とは今年新たに『スタジアム衛生・快適パートナーシップ』を結び、コラボレーション商品の開発や、プロ野球界初となる除菌シート・冷タオルの立ち売り販売を行っています。双方が持っているコンテンツを掛け合わせることで、単独ではできなかった施策が実現していくと期待しています」
グラウンド上での選手の躍動はファンの皆様の後押し、そしてスポンサー様の支援があってこそ。視点を変えて横浜スタジアムをぐるりと見回していただくと「こんなところにも広告が出ているのか」といった新たな発見があるかもしれません。
横浜DeNAベイスターズの広報がプロ野球の裏方として日々奮闘する人たちにスポットライトを当てるコラム「プレーボールの舞台裏」です。