原田マハ『太陽の棘』 アートが紡いだ戦後・沖縄の友情
原田マハ『太陽の棘』 アートが紡いだ戦後・沖縄の友情
パレットの上の 絵の具を溶かすほど、強い日差しが 降り注いでいた
1948年、米統治下の沖縄に、若い軍医が赴任する。非番の日にドライブに出た彼は、森に囲まれた丘の上で、不思議な場所に迷い込む。
〈ニシムイ美術村〉
芸術家たちが集う、「美のオアシス」だった。
ニシムイは漢字で「北森」と書く。首里城の北にある、という意味だ。東京美術学校(現東京芸術大学)の出身者らが当時、ここに自宅兼アトリエを構えて…