JP4303915B2

JP4303915B2 - Antibacterial composition and method for producing the same

Info

Publication number: JP4303915B2
Application number: JP2002159800A
Authority: JP
Inventors: 正辻
Original assignee: 山口康子; 吉本政尚
Priority date: 2002-05-31
Filing date: 2002-05-31
Publication date: 2009-07-29
Anticipated expiration: 2022-05-31
Also published as: JP2004002227A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀イオンの抗菌、殺菌効果を利用した抗菌性組成物に関する。
このような抗菌性組成物は、
ハウス・露地栽培等における農作物の病害菌の殺菌除去による病害予防、
農作物の除菌による鮮度保持、
食品加工機器、食品調理室、調理具の除菌、殺菌による食品衛生維持、
浴室、浴場等の除菌、殺菌によるレジオネラ菌対策等の衛生維持、
貯水槽、クーリングタワー、高置水槽、プール、あるいは、ソーラーシステム等の熱交換機の水循環路内の殺菌による水質管理
等に利用され、農作物の収穫向上、衛生管理性の向上等の目的で利用されている。
【０００２】
【従来の技術】
従来、この種の抗菌性組成物としては、フィチン酸、硝酸銀、ポリアクリル酸ナトリウムを含有してなるものが知られている（特公平６−４３２８９号公報等参照）。
この抗菌性組成物によると、硝酸銀から生成する一価の銀イオンが、細菌類や藻類の細胞に直接作用し殺菌するとともに、前記フィチン酸が、その銀イオンに配位してキレートを形成するため、銀イオンの安定性が増し、殺菌性を向上させられるものである。また、前記フィチン酸は、食品の保存性を高める作用を有することが知られている。さらに、低分子量ポリアクリル酸ナトリウムは、すぐれた熱安定性、適度なキレート能と分散機能を備え、フィチン酸とともに銀イオンの安定性の向上に寄与するものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来の抗菌性組成物によれば、製品としての銀濃度を約１７００ｐｐｍ程度に調整しているものの、抗菌、殺菌性が発揮される銀濃度が０．０５ｐｐｍ以上とされている。つまり、このような抗菌性組成物は、高い銀濃度のものを希釈して使用可能とすることにより、その製品を搬送する輸送費、管理費、保管に要する人件費、貯蔵費等を軽減できるため、好ましいと考えられている。そこで、製品の使用者にとっては、銀濃度が十分高くて製品として取り扱えるものが望まれている。
【０００４】
しかし、上述の従来の抗菌性組成物によって、銀濃度の高い製品を製造しようとする場合には、製造工程中に溶液が白濁し、連続的な製造に支障をきしたり、均一な溶液が得られにくい。そのため、製造に要する工程が増し、製造作業性が低下するという問題が生じることがあった。また、このようにして得られた銀濃度の高い溶液は、フィチン酸に由来して低ｐＨであって、取り扱いに注意を要するものとなり、そのままでは製品として好ましくないと考えられる。さらに、白濁状態の製品を得たとしても、保管中に沈殿物が生じる等の問題を派生することが予想され、商品価値が乏しいものとなってしまうものと考えられる。
【０００５】
従って、本発明の目的は、上記実情に鑑み、銀濃度の高い製品を製造容易にし、かつ、製品の取り扱いが容易で、十分抗菌性を発揮させられる希釈溶液を大量に得られる抗菌性組成物を提供することにある。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、フィチン酸と硝酸銀との高濃度の混合溶液は、低ｐＨでは溶液状態で安定に存在するものの、一般的な取り扱いに適したｐＨ３、あるいはｐＨ４以上に調整すると、白沈を生じやすくなる傾向にあることを見いだした。そこで、本発明者は、この現象を回避すべく鋭意研究の結果、フィチン酸と銀のカルボン酸塩との混合溶液は、比較的高ｐＨであっても溶液状態で安定に存在し得ることを新たに見出し、本発明に想到した。
即ち、この目的を達成するための本発明の抗菌性組成物の特徴構成は、
水系溶媒に少なくとも銀のカルボン酸塩及びフィチン酸を溶解させてある点にある。
また、前記銀のカルボン酸塩が、酢酸銀、クエン酸銀、乳酸銀から選ばれる少なくとも一種のものであることが好ましく、
ポリアクリル酸ナトリウムを含有することが好ましい。
また、本発明の抗菌性組成物の製造方法の特徴手段は、
フィチン酸水溶液に、銀のカルボン酸塩を溶解させ、次に重炭酸ナトリウムを添加してｐＨ３以上好ましくは４以上に調整した均一な溶液を得た後、ポリアクリル酸ナトリウムを添加する点にある。
【０００７】
〔作用効果〕
つまり、水系溶媒に銀のカルボン酸塩及びフィチン酸を溶解させてあることにより、カルボン酸銀から生成する一価の銀イオンは、細菌類や藻類の細胞に直接作用し殺菌する。また、この作用はフィチン酸のキレート作用により、さらに高められるとともに安定化させられる。ここで、この銀のカルボン酸塩及びフィチン酸の混合溶液は、上述の新知見にしたがって、高濃度でも均一な溶液を作りやすく、後述の実施の形態から、たとえば銀のカルボン酸塩として酢酸銀を用いた場合には、銀濃度が３８８００ｐｐｍと、極めて高濃度の溶液を製品として得ることができる。
【０００８】
これは、硝酸銀が強酸の塩であるのに対して、酢酸銀が弱酸の塩であるから、加水分解により酢酸として遊離させられて存在する酢酸イオンが緩衝液として働くことによると考えられる。そのため、上述の混合溶液を中和させる場合には、混合溶液に塩基を加えたとしても、急激なｐＨの変化が起きにくくなっており、フィチン酸が銀に配位して安定した状態が維持されやすくなっていると考えられる。銀の弱酸塩を用いれば、同様の作用により銀の安定化が図れ、高濃度で比較的ｐＨの高い銀溶液を調製しやすくなるものと考えられる。
尚、ここで用いられる弱酸の塩としては、反応性の面や、人体への影響の面等からカルボン酸塩が好適に用いられる。
【０００９】
また、前記カルボン酸塩としては、入手容易な汎用性の高い銀塩として、酢酸銀、クエン酸銀、乳酸銀から選ばれるものが、生体への安全性の面からも特に好適に用いられ、特に酢酸銀が、溶解度が高くかつ安価であるので好適である。
【００１０】
さらに、前記フィチン酸と銀のカルボン酸塩との混合溶液に対して、ポリアクリル酸ナトリウムを含有させてあれば、さらに前記混合溶液中における銀イオンの安定性を向上させることができるので好適である。
【００１１】
このような抗菌性組成物を製造するには、フィチン酸、銀のカルボン酸塩を所定の濃度に混合した混合溶液を調整し、その混合溶液をｐＨ調整すればよく、上述の知見から、ポリアクリル酸ナトリウムを添加する場合には、ｐＨ調整された混合溶液にポリアクリル酸ナトリウムを添加すればよい。
ここで、ｐＨ調整には、銀が酸化されて沈殿するような副反応の生成を抑制する意味から、重炭酸ナトリウムのような弱塩基を徐々に添加して溶液のｐＨが急激に変化しないように行うことが好ましい。
【００１２】
そこで、フィチン酸水溶液に、銀塩を溶解させ、次に重炭酸ナトリウムを添加してｐＨを調整する。このとき、前記銀塩はｐＨ３以上、さらには、ｐＨ４以上になっても均一な溶液を形成可能なものを用いていると、銀濃度の高い抗菌性組成物を製造したとしても、ｐＨが中性に近い製品を容易に得ることができる。このようにして得た溶液にポリアクリル酸ナトリウムを添加すると、製品自体の安定性をさらに向上させた製品を得ることができる。
また、前記ポリアクリル酸ナトリウムが高粘度であるのに対し、ポリアクリル酸ナトリウムを添加する工程以外における溶液の粘度を必要以上に大きくすることなく溶液の混合操作等を行えることとなるため、ｐＨの調整前に加えておくのに較べ、ｐＨ調整中における白濁、沈殿の析出、変質等が起こりにくいために予めｐＨを高く調整してあることが好ましい。また、製品の製造作業性を高くする上でも有効である。
【００１３】
従って、銀濃度の高い抗菌性組成物を得ることができたので、その抗菌性組成物を用いた製品は、少量でも十分抗菌性を発揮させられる希釈溶液を大量に得られるために、保存容器にかかるコストや、輸送、保管管理にかかるコストを大幅に低減させることができるようになった。
尚、本発明で水系溶媒と称する場合、単に水のみを溶媒にしたものを指すわけではなく、水とアルコールとの混合溶媒等の水溶性有機溶媒を含んだ溶液を含めるものとする。
【００１４】
尚、フィチン酸に対して銀のカルボン酸塩を１０〜５０％含有すれば、フィチン酸と銀とのキレートが生成しやすいので殺菌性が向上するために好ましく、
さらに、フィチン酸濃度が１０〜３０％であれば、殺菌・抗菌性が高くかつ溶液の粘性が低いために好ましい。
【００１５】
【発明の実施の形態】
本発明の抗菌性組成物は、
（１）フィチン酸水溶液に、酢酸銀等のカルボン酸の銀塩を溶解した混合溶液を調製する。
（２）前記混合溶液を重炭酸ナトリウムによりｐＨ調整し、ｐＨ４．０〜４．５の均一な溶液とする。
（３）この溶液にポリアクリル酸ナトリウムを添加するとともに、水を加え溶液の粘性等を整える。
の三工程から製造される。
【００１６】
また、上述の工程は、いずれも常温で行うことができ、このような製造方法によると、下記性状の抗菌性組成物が得られる。
【００１７】
フィチン酸濃度；１０％〜３０％
銀濃度；１２０００ｐｐｍ〜６００００ｐｐｍ
ポリアクリル酸ナトリウム濃度；５％〜１５％
ｐＨ；４．０〜６．０
色；薄いセピア色透明
【００１８】
この抗菌性組成物は、たとえば、水耕栽培における病害菌の殺菌剤等として利用される。
【００１９】
【実施例】
以下に本発明の実施例を説明する。
（製造例）フィチン酸の２５％水溶液８０ｇに酢酸銀６ｇを溶解し、混合溶液を得た。得られた混合溶液はｐＨ１以下であり、ｐＨ調整のために重炭酸ナトリウム粉末を徐々に添加した。ここで、重炭酸ナトリウム粉末を、１７．６ｇ添加して得られた溶液は、沈殿物もなくｐＨ４．３の薄いセピア色透明の均一な溶液であった。この溶液にポリアクリル酸ナトリウム１０ｇを加えさらに、水を加えて調製し、１００ｍｌの抗菌性組成物を得ることができた。

であった。この抗菌性組成物は、先述の従来の技術のもの（１７００ｐｐｍ）に較べて極めて高い銀濃度であることがわかり、従来の製品の液量に比して２２倍に希釈したとしても殺菌、抗菌性を発揮するものとなるため、製品としての殺菌剤の原液等として好適であることがわかる。
【００２０】
この抗菌性組成物を、９．５倍に希釈して銀濃度４０００ｐｐｍ（実測値対応濃度）の試験液を得た。
【００２１】
（比較例）フィチン酸の２５％水溶液８０ｇに硝酸銀６ｇを溶解し、混合溶液を得た。得られた混合溶液に重炭酸ナトリウム粉末を徐々に添加した。ここで、重炭酸ナトリウム粉末を１２．０ｇ添加すると、溶液のｐＨは、まだ３．０であるにもかかわらず、前記混合溶液は白濁し始め、均一に溶解させるのに長時間を要するようになり、作業効率が急激に低下し、容易に均一な溶液が得られず、均一な溶液を生成したとしても白濁した商品価値の低い溶液となってしまった。得られた混合溶液にポリアクリル酸ナトリウム１０ｇを加えさらに、水を加えて調製し、１００ｍｌの抗菌性組成物を得た。
得られた抗菌性組成物は、
フィチン酸濃度；２０％
銀濃度；３８１００ｐｐｍ
ポリアクリル酸ナトリウム濃度；１０％
ｐＨ；３．４
色・性状；白濁、薄いセピア色、沈殿あり
であった。この抗菌性組成物は、硝酸銀を用いていることから、銀濃度の高い液を調製しようとすると、白濁、沈殿を生じ、また、製造作業効率の低いものであったため、製品化が困難であることがわかった。
【００２２】
製造例、及び比較例より、銀の弱酸塩を用いた場合、銀の強酸塩を用いた場合に較べ、商品価値の高い製品を製造できるようになったことがわかる。
【００２３】
以下前記試験液を用いた殺菌試験例を記述する。
【００２４】
（１）高濃度細菌廃液に対する殺菌試験
浄化槽において殺菌される前の処理水を採取し、均質化して細菌数３〜４万個／ｍｌの試料液を得た。前記試料液９ｍｌに、それぞれ濃度の異なる前記試験液の希釈液を１ｍｌ加えて最終の前記銀濃度が０．０２〜０．４ｐｐｍとなるように調製した複数の検体溶液を用意した。（対照（０ｐｐｍ）は、試験液の希釈液に代えて水１ｍｌを加えた）
この検体溶液を２０℃で保存し、経日的に細菌数の変化を観測したところ、表１のようになった。
【００２５】
【表１】

【００２６】
表１より、検体に含有される銀濃度が０．１ｐｐｍ以上である場合には、極めて高濃度（３〜４万個／ｍｌ）の菌体を含む処理液を、十分に殺菌できていることが読みとれる。
【００２７】
（２）種々の菌種に対する殺菌効果
種々の細菌の菌液に対して前記試験液の希釈液を加えて、殺菌性を調べたところ、表２のようになった。菌液に対する最終試験液濃度は５０ｐｐｍ（銀濃度０．２ｐｐｍ）、対照は０ｐｐｍとし、２０℃にて保存した。表２より、何れの菌体に対しても３０分以内の短い時間で高い殺菌性を示していることがわかる。
【００２８】
【表２】

【００２９】
（３）レジオネラ菌に対する殺菌性
先の（１）と同様にレジオネラ菌を４．５×１０⁶個／ｍｌ含む溶液９ｍｌに、それぞれ濃度の異なる前記試験液の希釈液を１ｍｌ加えて最終試験液濃度が１０〜１００ｐｐｍとなるように調製した複数の検体溶液を用意した。（対照（０ｐｐｍ）は、試験液の希釈液に代えて水１ｍｌとした）
この検体溶液を３０℃で保存し、経時的に細菌数の変化を観測したところ、表３のようになった。表３より、本発明の抗菌性組成物を用いた殺菌剤は、レジオネラ菌に対しても高い殺菌性を示すことが読みとれる。
【００３０】
【表３】

【００３１】
（４）野菜の除菌
前記試験液を希釈して、最終試験液濃度２ｐｐｍ（銀濃度０．０１ｐｐｍ）の除菌液を調製した。この除菌液１Ｌに、キュウリを浸漬して、経時的にそのキュウリに含まれる細菌数の変化を調べた。
細菌数の測定は、ホモジナイザーを用いて、前記除菌液に浸漬されたキュウリを、所定時間ごとに１００ｇずつ前記除菌液から取り出し、水滴を除去して、破砕抽出して破砕物１ｇあたりの細菌数を求めて行った。
その結果、表４のようになり、極めて低銀濃度（０．０１ｐｐｍ）の除菌液であっても２０分間作用させると極めて高い除菌効果を奏することがわかる。
【００３２】
【表４】

【００３３】
（５）野菜の病害防除
ハウス栽培で灰カビ病の発生しているトマトに、２５０ｐｐｍに希釈した前記試験液を３〜７日間隔で散布したところ、灰カビ病の発生を完全に抑制した。従来、トマトの収穫の２０〜３０％が灰カビ病の被害にあい、収穫量の低下につながっていたのに対して、より確実な収穫が可能になった。
【００３４】
（６）調理器具の抗菌加工
前記試験液を希釈して、最終銀濃度４０ｐｐｍの抗菌加工剤を調製した。木材真空加圧含浸装置により、木製まな板に前記抗菌加工液を加圧含浸させ、抗菌加工まな板を得た。
このまな板に、種々の菌をそれぞれ接種し、ポリエチレン製フィルムで密着・密封し、３０℃相対湿度９０％の環境下で２４時間保存した。
２４時間経過後に、フィルムを４００ｃｍ²切り取り、フィルムに付着する菌数を調べたところ、表５のようになった。対照として抗菌加工液を含浸させていない木製まな板に同様に菌を滴下して菌数を調べてある。
【００３５】
【表５】

【００３６】
表５より、本発明の抗菌性組成物からなる抗菌加工液は、調理器具の抗菌加工に有用であることが読みとれる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an antibacterial composition utilizing the antibacterial and bactericidal effects of silver ions.
Such antibacterial compositions are
Disease prevention by sterilization and removal of disease-causing fungi in farmhouses, outdoor cultivation, etc.
Maintaining freshness by sterilizing agricultural products
Food processing equipment, food cooking room, sanitizing cooking utensils, maintaining food hygiene by sterilization,
Sanitary maintenance such as sterilization of bathrooms, bathing areas, etc., measures against Legionella by sterilization,
It is used for water quality management by sterilization in the water circulation path of heat exchangers such as water storage tanks, cooling towers, elevated water tanks, pools, or solar systems, and is used for the purpose of improving crop yield and improving hygiene management. Yes.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, as this type of antibacterial composition, those containing phytic acid, silver nitrate, and sodium polyacrylate are known (see Japanese Patent Publication No. 6-43289).
According to this antibacterial composition, monovalent silver ions generated from silver nitrate act directly on bacteria and algae cells to sterilize them, and the phytic acid coordinates to the silver ions to form a chelate. Therefore, the stability of silver ions is increased and the bactericidal properties can be improved. Moreover, it is known that the said phytic acid has the effect | action which improves the preservability of a foodstuff. Furthermore, low molecular weight sodium polyacrylate has excellent thermal stability, moderate chelating ability and dispersion function, and contributes to improvement of silver ion stability together with phytic acid.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
According to the above-described conventional antibacterial composition, although the silver concentration as a product is adjusted to about 1700 ppm, the silver concentration that exhibits antibacterial and bactericidal properties is 0.05 ppm or more. In other words, such antibacterial compositions can be used by diluting those with a high silver concentration, thereby reducing transportation costs, management costs, labor costs required for storage, storage costs, etc. Therefore, it is considered preferable. Therefore, it is desired for users of products that the silver concentration is sufficiently high and can be handled as products.
[0004]
However, when a product having a high silver concentration is to be manufactured by the above-described conventional antibacterial composition, the solution becomes cloudy during the manufacturing process, hindering continuous manufacturing, or a uniform solution. It is difficult to obtain. For this reason, there are cases where the steps required for the production increase and the production workability deteriorates. Further, the solution having a high silver concentration obtained in this way is derived from phytic acid and has a low pH, which requires careful handling. Furthermore, even if a product in a cloudy state is obtained, it is expected that problems such as precipitation will occur during storage, and the commercial value will be poor.
[0005]
Accordingly, an object of the present invention is to provide an antibacterial composition that makes it possible to easily produce a product having a high silver concentration, handle the product easily, and obtain a large amount of a diluted solution capable of exhibiting sufficient antibacterial properties in view of the above circumstances. Is to provide.
[0006]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor found that a high concentration mixed solution of phytic acid and silver nitrate exists stably in a solution state at a low pH, but when adjusted to pH 3 or pH 4 or more suitable for general handling, white precipitation occurs. I found that it tends to be easier. Therefore, as a result of intensive studies to avoid this phenomenon, the present inventor has found that a mixed solution of phytic acid and silver carboxylate can exist stably in a solution state even at a relatively high pH. A new headline has been conceived to the present invention.
That is, the characteristic constitution of the antibacterial composition of the present invention for achieving this object is as follows:
This is in that at least silver carboxylate and phytic acid are dissolved in an aqueous solvent.
The silver carboxylate is preferably at least one selected from silver acetate, silver citrate, and silver lactate,
It is preferable to contain sodium polyacrylate.
The characteristic means of the method for producing the antibacterial composition of the present invention is:
A silver carboxylate is dissolved in an aqueous phytic acid solution, and then sodium bicarbonate is added to obtain a uniform solution adjusted to pH 3 or more, preferably 4 or more, and then sodium polyacrylate is added. .
[0007]
[Function and effect]
That is, by dissolving silver carboxylate and phytic acid in an aqueous solvent, monovalent silver ions generated from silver carboxylate directly act on bacteria and algae cells to sterilize them. This action is further enhanced and stabilized by the chelating action of phytic acid. Here, the mixed solution of silver carboxylate and phytic acid is easy to make a uniform solution even at a high concentration in accordance with the above-mentioned new knowledge. From the embodiments described later, for example, silver acetate as silver carboxylate Is used, a solution having a very high silver concentration of 38800 ppm can be obtained as a product.
[0008]
This is presumably because silver nitrate is a salt of a strong acid while silver acetate is a salt of a weak acid, and thus acetate ions that are liberated as acetic acid by hydrolysis act as a buffer solution. Therefore, when neutralizing the above-mentioned mixed solution, even if a base is added to the mixed solution, rapid pH change is less likely to occur, and phytic acid is coordinated to silver and maintains a stable state. It is thought that it is easy to be done. If a weak silver salt is used, it is considered that silver can be stabilized by the same action, and a silver solution having a high concentration and a relatively high pH can be easily prepared.
In addition, as the salt of the weak acid used here, a carboxylate is preferably used from the viewpoint of reactivity and the influence on the human body.
[0009]
In addition, as the carboxylate, as a highly versatile silver salt that is easily available, one selected from silver acetate, silver citrate, and silver lactate is particularly preferably used from the viewpoint of safety to the living body, Silver acetate is particularly preferable because of its high solubility and low cost.
[0010]
Furthermore, if polyacrylic acid sodium is contained in the mixed solution of phytic acid and silver carboxylate, it is preferable because the stability of silver ions in the mixed solution can be further improved. is there.
[0011]
In order to produce such an antibacterial composition, a mixed solution in which phytic acid and silver carboxylate are mixed at a predetermined concentration may be adjusted, and the pH of the mixed solution may be adjusted. When sodium acrylate is added, sodium polyacrylate may be added to the pH adjusted mixed solution.
Here, for pH adjustment, in order to suppress the generation of a side reaction such that silver is oxidized and precipitates, a weak base such as sodium bicarbonate is gradually added so that the pH of the solution does not change abruptly. It is preferable to carry out.
[0012]
Therefore, the silver salt is dissolved in the phytic acid aqueous solution, and then sodium bicarbonate is added to adjust the pH. At this time, if the silver salt is one that can form a uniform solution even when the pH is 3 or more, and even 4 or more, even if an antibacterial composition having a high silver concentration is produced, the pH is medium. A product close to sex can be easily obtained. When sodium polyacrylate is added to the solution thus obtained, a product in which the stability of the product itself is further improved can be obtained.
In addition, since the sodium polyacrylate has a high viscosity, the mixing operation of the solution can be performed without unnecessarily increasing the viscosity of the solution other than the step of adding the sodium polyacrylate. It is preferable to adjust the pH to a high level in advance because it is less likely to cause cloudiness, precipitation, or alteration during pH adjustment, compared to the case of adding before the adjustment. It is also effective in improving the manufacturing workability of the product.
[0013]
Therefore, since an antibacterial composition having a high silver concentration could be obtained, a product using the antibacterial composition can obtain a large amount of a diluting solution capable of exhibiting sufficient antibacterial properties even in a small amount. Cost and transportation and storage management can be greatly reduced.
In addition, when calling it an aqueous solvent by this invention, it does not necessarily refer to what used only water as a solvent, but shall include the solution containing water-soluble organic solvents, such as a mixed solvent of water and alcohol.
[0014]
In addition, it is preferable to contain 10 to 50% of silver carboxylate with respect to phytic acid, because chelate of phytic acid and silver is easily generated, so that bactericidal properties are improved.
Further, a phytic acid concentration of 10 to 30% is preferable because of high bactericidal and antibacterial properties and low solution viscosity.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The antibacterial composition of the present invention is
(1) A mixed solution in which a silver salt of a carboxylic acid such as silver acetate is dissolved in a phytic acid aqueous solution is prepared.
(2) The pH of the mixed solution is adjusted with sodium bicarbonate to obtain a uniform solution having a pH of 4.0 to 4.5.
(3) While adding sodium polyacrylate to this solution, water is added and the viscosity of the solution is adjusted.
It is manufactured from three processes.
[0016]
Moreover, all the above-mentioned processes can be performed at room temperature, and according to such a production method, an antibacterial composition having the following properties is obtained.
[0017]
Phytic acid concentration; 10% -30%
Silver concentration: 12000ppm to 60000ppm
Sodium polyacrylate concentration; 5% to 15%
pH; 4.0-6.0
Color: Light sepia transparent [0018]
This antibacterial composition is used, for example, as a fungicide for diseased bacteria in hydroponics.
[0019]
【Example】
Examples of the present invention will be described below.
(Production Example) 6 g of silver acetate was dissolved in 80 g of a 25% aqueous solution of phytic acid to obtain a mixed solution. The resulting mixed solution had a pH of 1 or less, and sodium bicarbonate powder was gradually added to adjust the pH. Here, the solution obtained by adding 17.6 g of sodium bicarbonate powder was a thin sepia transparent uniform solution having a pH of 4.3 without precipitation. To this solution, 10 g of sodium polyacrylate was added and water was added to prepare 100 ml of an antibacterial composition.

Met. This antibacterial composition is found to have an extremely high silver concentration compared to the above-mentioned prior art (1700 ppm), and even if it is diluted 22 times compared to the liquid volume of the conventional product, it is sterilized and antibacterial. Therefore, it can be seen that it is suitable as a stock solution of a bactericide as a product.
[0020]
This antibacterial composition was diluted 9.5 times to obtain a test solution having a silver concentration of 4000 ppm (concentration corresponding to an actual measurement value).
[0021]
Comparative Example 6 g of silver nitrate was dissolved in 80 g of a 25% aqueous solution of phytic acid to obtain a mixed solution. Sodium bicarbonate powder was gradually added to the resulting mixed solution. Here, when 12.0 g of sodium bicarbonate powder is added, the mixed solution starts to become cloudy even though the pH of the solution is still 3.0 so that it takes a long time to dissolve uniformly. As a result, the working efficiency was drastically reduced, and a uniform solution could not be easily obtained. Even when a uniform solution was produced, the solution became cloudy and had a low commercial value. To the obtained mixed solution, 10 g of sodium polyacrylate was added and water was further added to prepare 100 ml of an antibacterial composition.
The obtained antibacterial composition is
Phytic acid concentration; 20%
Silver concentration: 38100ppm
Sodium polyacrylate concentration: 10%
pH; 3.4
Color and properties: cloudiness, light sepia color, precipitation. Since this antibacterial composition uses silver nitrate, when trying to prepare a liquid with a high silver concentration, white turbidity and precipitation occur, and the production work efficiency is low. I understood it.
[0022]
From the production example and the comparative example, it can be seen that when a weak silver salt is used, a product with a high commercial value can be produced as compared with a case where a strong silver salt is used.
[0023]
A sterilization test example using the test solution will be described below.
[0024]
(1) Sterilization test for high-concentration bacterial waste liquid Treated water before being sterilized in a septic tank was collected and homogenized to obtain a sample liquid with 3-40,000 bacteria / ml. A plurality of specimen solutions were prepared by adding 1 ml of the diluted test solution having different concentrations to 9 ml of the sample solution so that the final silver concentration was 0.02 to 0.4 ppm. (For control (0 ppm), 1 ml of water was added instead of the diluted test solution)
When this sample solution was stored at 20 ° C. and the change in the number of bacteria was observed over time, it was as shown in Table 1.
[0025]
[Table 1]

[0026]
According to Table 1, when the silver concentration contained in the specimen is 0.1 ppm or more, the treatment liquid containing cells with extremely high concentration (3-40,000 cells / ml) can be sufficiently sterilized. Can be read.
[0027]
(2) Bactericidal effect on various bacterial species The dilution of the test solution was added to the bacterial solution of various bacteria, and the bactericidal property was examined. The final test solution concentration with respect to the bacterial solution was 50 ppm (silver concentration 0.2 ppm), the control was 0 ppm, and stored at 20 ° C. It can be seen from Table 2 that high bactericidal properties are exhibited in any cell within a short time of 30 minutes.
[0028]
[Table 2]

[0029]
(3) Bactericidal activity against Legionella In the same manner as in (1) above, 1 ml of the dilution of the above test solution with different concentrations is added to 9 ml of a solution containing 4.5 × 10 ⁶ Legionella bacteria / ml. A plurality of specimen solutions prepared so as to have a concentration of 10 to 100 ppm were prepared. (The control (0 ppm) was 1 ml of water instead of the diluted test solution)
When this sample solution was stored at 30 ° C. and the change in the number of bacteria was observed over time, it was as shown in Table 3. From Table 3, it can be read that the bactericidal agent using the antibacterial composition of the present invention exhibits high bactericidal properties against Legionella bacteria.
[0030]
[Table 3]

[0031]
(4) Sterilization of vegetables The test solution was diluted to prepare a sterilization solution having a final test solution concentration of 2 ppm (silver concentration of 0.01 ppm). Cucumber was immersed in 1 L of this sterilization solution, and changes in the number of bacteria contained in the cucumber over time were examined.
For the measurement of the number of bacteria, using a homogenizer, 100 g of cucumber immersed in the sterilization solution is taken out from the sterilization solution every predetermined time, water droplets are removed, crushing and extraction are performed per 1 g of crushed material. The number of bacteria was determined.
As a result, as shown in Table 4, it can be seen that even a sterilization solution having an extremely low silver concentration (0.01 ppm) exhibits a very high sterilization effect when allowed to act for 20 minutes.
[0032]
[Table 4]

[0033]
(5) When the test solution diluted to 250 ppm was sprayed at intervals of 3 to 7 days on tomatoes that had ash mold disease in greenhouse cultivation for prevention of vegetable diseases, generation of ash mold disease was completely suppressed. Traditionally, 20-30% of tomato harvests suffered from ash mold, leading to a decline in yields, but more reliable harvesting has become possible.
[0034]
(6) Antibacterial processing of cooking utensil The test solution was diluted to prepare an antibacterial processing agent having a final silver concentration of 40 ppm. The wood cutting board was impregnated with the antibacterial processing liquid under pressure by a wood vacuum pressure impregnation apparatus to obtain an antibacterial processing cutting board.
Various types of bacteria were inoculated on this cutting board, adhered and sealed with a polyethylene film, and stored for 24 hours in an environment of 30 ° C. and 90% relative humidity.
After 24 hours, 400 cm ^{2 of} the film was cut out and the number of bacteria attached to the film was examined. As a control, the number of bacteria was examined by dripping bacteria on a wooden cutting board not impregnated with an antibacterial processing solution.
[0035]
[Table 5]

[0036]
From Table 5, it can be read that the antibacterial processing liquid comprising the antibacterial composition of the present invention is useful for the antibacterial processing of cooking utensils.

Claims

An antibacterial composition in which at least silver carboxylate and phytic acid are dissolved in an aqueous solvent.

The antibacterial composition according to claim 1, wherein the silver carboxylate is at least one selected from silver acetate, silver citrate, and silver lactate.

The antibacterial composition according to any one of claims 1 to 2, comprising sodium polyacrylate.

A method for producing an antibacterial composition in which silver carboxylate is dissolved in an aqueous phytic acid solution, and then sodium bicarbonate is added to obtain a uniform solution adjusted to pH 3 or higher, and then sodium polyacrylate is added .

The antibacterial composition according to any one of claims 1 to 3, comprising 10 to 50% of a silver carboxylate with respect to phytic acid.