www.fgks.org   »   [go: up one dir, main page]

コンテンツにスキップ

「デジタルオブジェクト識別子」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
削除された内容 追加された内容
m Category:学術出版を追加 (HotCat使用)
編集の要約なし
1行目: 1行目:
{{WikipediaPage|[[ウィキペディア]]上でDOIを使った外部リンクを生成する[[Wikipedia:テンプレート|テンプレート]]については、[[Template:Doi]] をご覧ください。}}
{{WikipediaPage|[[ウィキペディア]]上でDOIを使った外部リンクを生成する[[Wikipedia:テンプレート|テンプレート]]については、[[Template:Doi]] をご覧ください。}}
[[File:DOI logo.svg|right]]

'''デジタルオブジェクト識別子'''(-しきべつし、Digital Object Identifier、略称'''DOI''')は、[[インターネット]]上の[[ドキュメント]]に恒久的に与えられる[[識別子]]である。
'''デジタルオブジェクト識別子'''(デジタルオブジェクトしきべつし、Digital Object Identifier、略称'''DOI''')は、[[インターネット]]上の[[ドキュメント]]に恒久的に与えられる[[識別子]]である。


==概要==
==概要==
10行目: 10行目:
また、DOIは著作物のタイトルだけでなく、より細分化したレベルで付与することもできる。書籍なら任意のページや図表ごと、CDであれば曲ごとに識別子がつけられるため、目的とする情報を早く選択的に得ることが可能となる。([[ISBN]]や[[ISSN]]、[[CODEN]]などは、タイトル別にのみ識別番号が付けられている)。
また、DOIは著作物のタイトルだけでなく、より細分化したレベルで付与することもできる。書籍なら任意のページや図表ごと、CDであれば曲ごとに識別子がつけられるため、目的とする情報を早く選択的に得ることが可能となる。([[ISBN]]や[[ISSN]]、[[CODEN]]などは、タイトル別にのみ識別番号が付けられている)。


DOIのシステムはAAP(Association of American Publishers、アメリカ出版協会)とCNRI (Corporation for National Research Initiatives)によって設立され、現在は国際DOI財団 (The International DOI Foundation)によって運営されている<ref>{{Cite journal|和書|author=[[長谷川豊祐]]|title=DOI(デジタルオブジェクト識別子)システムの概要(<特集>メタデータ) |date=1999-01-01 |publisher=社団法人情報科学技術協会 |journal=情報の科学と技術 |volume=49 |number=1 |naid=110002828034 |page=19}}</ref>
DOIのシステムはAAP(Association of American Publishers、アメリカ出版協会)とCNRI (Corporation for National Research Initiatives)によって設立され、現在は国際DOI財団 (The International DOI Foundation)によって運営されている{{sfn|長谷川|1999|p=19}}。
==システム==
==システム==
典型的なDOIは次のような[[文字列]]である。
典型的なDOIは次のような[[文字列]]である。
30行目: 30行目:


== DOI登録機関 ==
== DOI登録機関 ==
* CrossRef
* [[CrossRef]]
* DataCite
* DataCite
* Japan Link Center
* Japan Link Center
45行目: 45行目:


==参考文献==
==参考文献==
* {{Cite journal|和書|author=長谷川豊祐 |title=DOI(デジタルオブジェクト識別子)システムの概要(<特集>メタデータ) |date=1999-01-01 |publisher=社団法人情報科学技術協会 |journal=情報の科学と技術 |volume=49 |number=1 |naid=110002828034 |pages=28-33 |ref=harv}}
* {{Cite journal|和書|last=長谷川|first=豊祐 |title=DOI(デジタルオブジェクト識別子)システムの概要(<特集>メタデータ) |date=1999-01-01 |publisher=社団法人情報科学技術協会 |journal=情報の科学と技術 |volume=49 |number=1 |naid=110002828034 |pages=28-33 |ref=harv}}


==外部リンク==
==外部リンク==

2016年5月20日 (金) 13:57時点における版

デジタルオブジェクト識別子(デジタルオブジェクトしきべつし、Digital Object Identifier、略称DOI)は、インターネット上のドキュメントに恒久的に与えられる識別子である。

概要

URLは、サーバの移転などによって変化するため、古い情報になるほどリンク切れなどの不都合が生じやすい。DOIは、ユーザーとファイルの所有者(出版社や音楽配信業者など)の間にDOIディレクトリを経由させることで、これを回避するものである。

DOIは、学術論文の分野でよく利用されており、NatureScienceのような学術雑誌や、ACMIEEEなどの学会が発行した論文誌の記事に付与されている。

また、DOIは著作物のタイトルだけでなく、より細分化したレベルで付与することもできる。書籍なら任意のページや図表ごと、CDであれば曲ごとに識別子がつけられるため、目的とする情報を早く選択的に得ることが可能となる。(ISBNISSNCODENなどは、タイトル別にのみ識別番号が付けられている)。

DOIのシステムはAAP(Association of American Publishers、アメリカ出版協会)とCNRI (Corporation for National Research Initiatives)によって設立され、現在は国際DOI財団 (The International DOI Foundation)によって運営されている[1]

システム

典型的なDOIは次のような文字列である。

10.1021/jo0349227

この例において、10.1021は国際DOI財団が付与するディレクトリの識別子(本例ではアメリカ化学会を示す)である。スラッシュ以下のjo0349227はファイルの所有者(本例ではアメリカ化学会)が任意で付けるIDである。

実際にブラウザでDOIによって検索をする際には、次のようにURL "http://dx.doi.org/" の後にDOIをつければよい。

http://dx.doi.org/10.1021/jo0349227

かつてはCrossRefなどにおいてDOIをURNスキームとして doi:10.1021/jo0349227 のように表記することを推奨していたが、ウェブブラウザがURNスキームをサポートすることが広まらなかったため、現在のように "http://dx.doi.org/" を前に置く形となった[2]

システム上は次のような過程を経てファイルが表示される。

  1. ユーザーが、欲しいファイルのDOIを入力する。
  2. 入力されたDOIが、DOIディレクトリに送信され、目的のファイルのURLに変換される。
  3. 変換されたURLが、ファイルが置かれている出版社のサーバに転送される。
  4. 出版者のサーバが、ユーザーに目的のファイルを送信する。

もし出版社がファイルの移動を行う場合は、DOIディレクトリ内で対応するURLを変換することで対応する。したがって、ユーザー側は同じDOIをいつまでも使い続けることができる。

DOI登録機関

  • CrossRef
  • DataCite
  • Japan Link Center
  • mEDRA
  • OPOCE
  • R.R.Bowker
  • EIDR
  • CNKI
  • Airiti,Inc.
  • ISTIC

脚注

  1. ^ 長谷川 1999, p. 19.
  2. ^ CrossRef Revises DOI Display Guidelines”. CrossRef (2011年8月11日). 2014年5月28日閲覧。

参考文献

  • 長谷川, 豊祐「DOI(デジタルオブジェクト識別子)システムの概要(<特集>メタデータ)」『情報の科学と技術』第49巻第1号、社団法人情報科学技術協会、1999年1月1日、28-33頁、NAID 110002828034 

外部リンク