アッバス議長「ガザの悲劇終わらせ共存を」 水面下で進める大胆計画

イスラエル・パレスチナ問題

ヨルダン川西岸ラマラ=高久潤 其山史晃
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 パレスチナ自治政府のトップを務めるマフムード・アッバス議長(88)が20日、朝日新聞との単独会見に応じた。パレスチナ自治区ガザイスラエル軍とイスラム組織ハマスの激しい戦闘が続くなか、30年以上前に描かれた平和共存の構想の実現に向け、水面下で大胆な計画が進んでいることを明かした。

 「パレスチナ国家」を樹立し、イスラエルと共存する「2国家解決」は、1993年のオスロ合意で打ち出された。この合意に基づき翌年に発足した自治政府はヨルダン川西岸とガザを統治していたが、ガザは2007年からハマスに実効支配されている。和平に向けた機運が高まらないなか、ハマスが昨年10月にイスラエルを奇襲したことで、ガザは激戦地となり、2万9千人以上が死亡する惨事となっている。

 「この悲劇を終わらせ、2国家解決を実現する機会に転じることはできる」。ヨルダン川西岸ラマラの議長府で取材に応じたアッバス氏は、米国やアラブ諸国と新たな包括的な計画づくりに取り組んでいると語った。その実現に向け、日本にも期待する役割があるという。(ヨルダン川西岸ラマラ=高久潤、其山史晃)

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