日本経済新聞社がまとめた採用計画調査(最終集計)では、主要企業の2011年春の新卒採用数は10年春の実績に比べ1%減った。減少幅は縮まったが、2年連続のマイナスで新卒者の採用抑制傾向が続いている。10年度の中途採用数は前年度見込みに比べ5.6%増と2年ぶりに拡大。人手不足を補うため即戦力を確保する動きが再び広がり始めたようだ。
新卒採用計画総数は10万1492人。製造業は10年春に比べ2.5%増えたが、非製造業は2.9%減った。大卒は2.3%増とプラスに転じたが、短大・専門学校・高専卒は8.9%減、高卒も7.1%減とマイナスのままだ。1社あたりの採用数は、リーマン・ショックに端を発した急速な景気後退の影響を受ける前の09年春のおよそ7割にとどまっている。
大卒採用数は10年春より2.3%増の7万6462人。主要企業が今春入社の採用を大きく減らした反動もあり、製造業は8.5%の増加となった。半面、非製造業は銀行、保険、旅行、小売りなどの採用抑制が響き、1.3%減少した。業種別にみると、43業種のうち26業種で前年を上回った。
大卒採用数が1000人を超えたのは東日本旅客鉄道(JR東日本)の1100人のみで、10年度の3社から減少した。上位は日本生命保険、みずほフィナンシャルグループ、三井住友銀行などが占めたが、各社とも10年度を下回った。
製造業は三菱電機、東芝、富士通など大手電機をはじめ、精密機械や機械、鉄鋼といった幅広い業種で理工系技術職を中心に採用を増やす。
日本電産グループは10年度の2.2倍にあたる420人を採用する計画で、7割強の320人が理工系だ。電気自動車や省エネ家電向けモーターの需要が世界規模で拡大しており、技術者不足を補う。
NECも大学院卒を含む採用数を3倍の300人に増やす。ネットワーク経由でソフトウエアや情報サービスを提供するクラウドコンピューティングなどIT(情報技術)の戦略分野に重点配置する。ただ、09年度までの数年間は600~800人の新卒を採用しており、本格回復とは言い難い。
非製造業では、消費者の節約志向や企業の出張費削減などで取扱高が減少傾向にあるJTBグループは150人ほど少ない約400人を採用する計画だ。
回答を得た2644社のうち11年度に大卒者を採用しない企業は160社。小売りではオークワ、ユニー、東急ストアがゼロとする。
10年度の中途採用数は、製造業が電機・素材分野を中心に11.6%拡大。非製造業も2.8%増加する。
三菱電機は300人と09年度見込み並みの高水準を維持し、環境関連分野の人員配置を厚くする。川崎重工業は09年度見込みを90人上回る210人を予定。航空宇宙・ガスタービン部門や油圧機器部門の要員を増強する。非製造業の上位には外食やサービスが並ぶ。ワタミグループは09年度見込みより320人多い840人の採用を予定する。
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