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「サフィニア」の版間の差分

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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従来の一般的なペチュニアと同様、雨に弱く日本では花壇にはあまり向かない。匍匐性(ほふくせい = 地面にはうように成長する性質、クリーピングとも言う)が強いため、プランターや特にハンギングに向く。数あるペチュニアの中でも豪華な品種群である。枝がしなやかで伸びやすいため容易に樹勢の調整が可能で、摘心や切戻しを行うことにより枝数を増やしていき、蕾を増加させてゆく、というのが育成の基本体系である。大輪、中輪、小輪、花色、使用用途に合わせた性質に改良された品種もあるなど、種類も富んでいる。また、名前の「サフィニア」は、匍匐性が強い事から英語のSurfing(サーフィン)と、Petunia(ペチュニア)から得られた造語に由来している。
従来の一般的なペチュニアと同様、雨に弱く日本では花壇にはあまり向かない。匍匐性(ほふくせい = 地面にはうように成長する性質、クリーピングとも言う)が強いため、プランターや特にハンギングに向く。数あるペチュニアの中でも豪華な品種群である。枝がしなやかで伸びやすいため容易に樹勢の調整が可能で、摘心や切戻しを行うことにより枝数を増やしていき、蕾を増加させてゆく、というのが育成の基本体系である。大輪、中輪、小輪、花色、使用用途に合わせた性質に改良された品種もあるなど、種類も富んでいる。また、名前の「サフィニア」は、匍匐性が強い事から英語のSurfing(サーフィン)と、Petunia(ペチュニア)から得られた造語に由来している。


耐寒性は低いので、越冬させるには室内管理などが必要となるが、本来は多年草なので温度管理さえしっかりと行えば翌年以降も楽しむことは一応可能である。ただしナス科の植物であるため[[連作障害]]を引き起こすことがあるため、複数年間、健全な株状態を維持するためには土の消毒か土を入れ替えるなどいった対策が必要となってくる。これはサフィニアだけでなく一般のペチュニアや同じナス科の園芸植物である[[カリブラコア]]などについても同様である。
耐寒性は低いので、越冬させるには室内管理などが必要となるが、本来は多年草なので温度管理さえしっかりと行えば翌年以降も楽しむことは一応可能である。ただしナス科の植物であるため[[連作障害]]を引き起こすことがあるため、複数年間、健全な株状態を維持するためには土の消毒か土を入れ替えるか、或いは[[コンパニオンプランツ]](ナス科の場合、ネギ類やニラなどが最適とされている)を導入するなどいった対策が必要となってくる。これはサフィニアだけでなく一般のペチュニアや同じナス科の園芸植物である[[カリブラコア]]などについても同様である。


越冬対策の一つに切り戻しなどの際に生じた枝などを使い挿し木を行いそれを管理することで、親株が枯れてしまった時の保険を掛けることも可能。
越冬対策の一つに切り戻しなどの際に生じた枝などを使い挿し木を行いそれを管理することで、親株が枯れてしまった時の保険を掛けることも可能。

2021年6月4日 (金) 09:26時点における版

ガーデニングに用いられる

ペチュニア・サフィニア・シリーズ ‘サフィニア’ (‘Surfinia’Petunia Surfinia Series Hybrid Cultivar. ‘Surfinia’ ) は、ナス科ツクバネアサガオ属の植物。サントリー京成バラ園芸が共同で1989年に開発したペチュニアの園藝品種。なお、「サフィニア」はサントリーフラワーズ(株)の登録商標(日本第2395224号)である。不稔性が高く、草姿が乱れず花期が長いのが特徴で、近年[いつ?]急速に普及している。欧州などの諸外国でも評価が高い。ペチュニアでは初めての本格的な栄養繁殖系。ペチュニアの原種が持つ長日植物である弱点を完全に払拭した園藝品種。開花時期は4月から10月、ペチュニア・サフィニア・シリーズ ‘サフィニア’が成功した後に、品種のバリエーションも増え、現在[いつ?]では、大きいものは10cm程度、小さいものは3cm程度と大小さまざまな花を咲かせる物が現れてきた。花の色は赤、赤紫、紫、青紫、白、白黄、白青、桃など多彩であり、中には花弁の外周部が白で中央部がピンクに染まりそのピンクの部分がハート形になる「ももいろハート」とゆう品種や黄色地に薄桃色~薄紫の紋様が入る「とらネコ(2020年の新品種)」などの品種も登場し人気の品種となっている。10月から11月に株は寒さで枯れるが、基本的には耐寒性の低い常緑多年草であるため温度管理をきちんと行えば越冬も可能である。また越冬株は1年目よりさらに大きく育つ。

概要

原産地はブラジルパンパ。サントリーの駐在員がペチュニアの原種を数系統持ち帰ったのが品種改良のはじめである。従来のペチュニアは原種の伸びやかさを捨て去り、花壇栽培のみに特化した物だけが流通していた。これは商品の流通にもコンパクトさが要求されていたためである。その固定観念から離れた今までには無いクリーピングタイプである。これは流通業界の流れすら変えざるを得なくなった火付け役でもあり、日本の園藝業界の寵児であった。またこのペチュニア‘サフィニア’は栄養繁殖系ペチュニアの実質的な第一号成功例であるとともに栄養系品種が商業的に成り立つ事を証明した記念碑的園藝品種である。今日の栄養繁殖系園藝品種の隆盛はこの園藝品種の成功に負うところが大きい。栄養系繁殖であるため、種子が少ない事もあって花数が多くなる特徴があり、かつ、亜流の植物が出来にくい為、商業的に独占でき、企業にとって非常に優れている特徴がある。この植物は、生育しても草姿が乱れない重要な特徴があり、ヨーロッパなどでも人気が高い。ペチュニア‘サフィニア’が成功すると、同業他社もペチュニア市場に類似の商品を投入し、「ペチュニア戦争」と呼ばれる状況となった。 1990年代から始まる、日本におけるいわゆるガーデニングブームの火付け役でもある。特に保守的で頑なな流通業界の流れすら変えたのは、このペチュニア‘サフィニア’と洋蘭のシンビジウム サラジーン ‘アイス・キャスケード’の2つに依る功績である。これらの2つの植物が大ヒットをしたことから、しなだれるタイプの鉢植えは今までは流通業界から拒まれていたが、これらの大ヒットに伴い、保守的で流通業界主導型であった荷姿すらバリエーションが豊になり、消費者には植物の仕立て方に対する選択肢が広がりいろいろなタイプの植物を得られるようになった。

特徴

従来の一般的なペチュニアと同様、雨に弱く日本では花壇にはあまり向かない。匍匐性(ほふくせい = 地面にはうように成長する性質、クリーピングとも言う)が強いため、プランターや特にハンギングに向く。数あるペチュニアの中でも豪華な品種群である。枝がしなやかで伸びやすいため容易に樹勢の調整が可能で、摘心や切戻しを行うことにより枝数を増やしていき、蕾を増加させてゆく、というのが育成の基本体系である。大輪、中輪、小輪、花色、使用用途に合わせた性質に改良された品種もあるなど、種類も富んでいる。また、名前の「サフィニア」は、匍匐性が強い事から英語のSurfing(サーフィン)と、Petunia(ペチュニア)から得られた造語に由来している。

耐寒性は低いので、越冬させるには室内管理などが必要となるが、本来は多年草なので温度管理さえしっかりと行えば翌年以降も楽しむことは一応可能である。ただしナス科の植物であるため連作障害を引き起こすことがあるため、複数年間、健全な株状態を維持するためには土の消毒か土を入れ替えるか、或いはコンパニオンプランツ(ナス科の場合、ネギ類やニラなどが最適とされている)を導入するなどいった対策が必要となってくる。これはサフィニアだけでなく一般のペチュニアや同じナス科の園芸植物であるカリブラコアなどについても同様である。

越冬対策の一つに切り戻しなどの際に生じた枝などを使い挿し木を行いそれを管理することで、親株が枯れてしまった時の保険を掛けることも可能。 挿し木苗はすぐには大きく育たないので室内管理も楽である。しかし、サフィニアとされている品種は元より特定品種名が付けられているペチュニア、カリブラコアは、そのほぼ全てがパテント(特許)が付いた登録品種となっているため、増やした苗を無許可で販売、譲渡すると違法になるので注意。

出典


関連項目