検索結果を絞り込む

本文・本体へのリンク

検索結果 1,879 件

  • サハリン先住民ウイルタの文学(1)

    山田, 祥子 北海道言語文化研究 22 103-120, 2024-03-31

    ...本稿ではサハリンの先住民族ウイルタの、特にウイルタ語による《文学》と、その変化についての初歩的な考察を試みる。ウイルタ語に固有の文字はなく、昔話やおとぎ話、歌謡などは従来、口頭で伝承された。このような口承文芸をウイルタの「伝統文学」と呼ぶ。...

    機関リポジトリ HANDLE

  • Call for authors! Indigenous Studies and Cultural Diversity

    Indigenous Studies and Cultural Diversity 1 (2), 70-, 2024-03-31

    We continue to search for quality papers that serve to illustrate the growing discussion of Indigenous issues and aspects of cultural diversity in research. If you, or someone you know, are …

    DOI

  • アイヌ語の禁止の副詞の用法について

    ヌルミ ユッシ アイヌ・先住民研究 4 59-92, 2024-03-29

    本稿ではアイヌ語における禁止の副詞を伴う否定的な命令文に注目する。典型的には、禁止の副詞を命令法の形にある主動詞の前に置くことによって形成されるが、いわゆる迂言的な命令表現もみられる。迂言的な構造では動詞に主語の人称接辞が付き、命令文に禁止の副詞以外の否定的な要素が含まれるなどがみられる。先行研究では様々な命令表現が紹介されているが、典型的な否定的な命令文とそうでない文の現れる頻度ついては現在ま…

    DOI HANDLE Web Site

  • 『アイヌ神謡集』を中国語に翻訳する際の諸問題および対応方法 : 日本語訳との対照 その1

    馬 長城 アイヌ・先住民研究 4 33-58, 2024-03-29

    本稿では、『アイヌ神謡集』を事例に取り上げ、日本語訳と対照しつつ、アイヌの韻文を中国語に翻訳する際の文体、サケへ、格律、アクセント、押韻、対句と繰り返しの対応方法を提案した。文体に関しては、日常語を使う場合、神謡の特徴をできる限り保持して翻訳するのがよい。サケへについては、意味が理解できるサケへはその意味通りに翻訳し、意味が不明なサケへについては、「アイヌ語―中国語音節対応表」および『世界人名翻…

    DOI HANDLE Web Site

  • 19世紀末から20世紀初頭に記録された台湾オーストロネシア諸語の「汝ノ名ハ誰カ」

    落合 いずみ アイヌ・先住民研究 4 147-160, 2024-03-29

    19世紀末から20世紀初頭にかけての台湾オーストロネシア諸語の初期の資料において、「あなたの名前は何ですか」を表す表現を検討した。その結果、疑問詞として「誰」を用いた「あなたの名前が『誰』ですか」と表現する言語が14の言語に見られた(「誰」型と呼ぶ)。この他「あなたの名前は何ですか」と疑問詞に「何」を用いる表現(「何」型)はツォウ語、パゼッヘ語に見られたが、パゼッヘ語には「誰」型も見られた。そし…

    DOI HANDLE Web Site

  • アイヌ民族の葬制・祖霊祭祀と遺骨の「再埋葬・慰霊」 : 民族誌・文学による検討

    北原 モコットゥナシ アイヌ・先住民研究 4 127-145, 2024-03-29

    アイヌ政策においては「精神文化の尊重」が謳われることは多くとも、精神文化の具体的なあり様が論じられることは多くない。むろん、アイヌの精神文化といっても地域や時代によって多様であり、単純化して語ることはできない。そこで、ここでは遺骨の管理・返還においては、埋葬者・被埋葬者の死生観、墓制、葬制が尊重されるべきものと仮定し、これについて考察することでその具体像を示す。このため、在来的なアイヌの信仰の内…

    DOI HANDLE Web Site

  • 民族の自己決定権による遺骨返還運動 : 琉球の脱植民地化を目指して

    松島 泰勝 アイヌ・先住民研究 4 241-248, 2024-03-29

    ...琉球民族遺骨返還請求訴訟は、日本の法廷において初めて、京都大学に対して琉球民族の遺骨返還を求め、琉球に対する日本の植民地支配の歴史を批判し、国際法に基づいて先住民族が有する遺骨返還権を主張した。先住民族遺骨の返還は世界的な潮流となっている。しかし、この問題に対して日本の学知は「鎖国」的な対応をとり、研究者の特権を振りかざし、みずからの帝国主義を清算しようとしない。...

    DOI HANDLE

  • 比較不可能だったアイヌ語方言分類 : 統計的方言分類を類似判断の点から再考する

    小野 洋平, 深澤 美香 アイヌ・先住民研究 4 93-126, 2024-03-29

    服部・知里(1960)とAsai(1974)は、基礎語彙データへの統計学の応用によってアイヌ語方言の分類を試みた研究である。しかし、それらは異なる項目に対して異なる類似判断を適用していたため、の分類結果は比較不可能であった。特に、長らく不明となっていた Asai(1974)が対象とした項目と大半の類似判断は、Ono(2020)のアルゴリズムと小野・深澤(2023)によってようやく明らかにされた。…

    DOI HANDLE Web Site

  • 人間性の共有を形成すること: 価値観の収斂と異なる未来への道に向けて

    タシマ ナサニエル, クレイン キャスリーン アイヌ・先住民研究 4 201-211, 2024-03-29

    合意の欠落、見解の相違に満ちた状況では、わたしたちを結びつける考えや価値観に立ち戻ることが大切だ。この発表では、遺骨や副葬品などの埋葬に関連した器物について(子孫たちの)エイジェンシー(行為主体性)を否定することが、子孫たちの共同体にとり尊厳と人間性の否定になりうるさまざまな状況について検討する。まず、遺骨返還が問題化するときの文化的背景と専門的知について概観したあと、現在の対立状況が子孫の共同…

    DOI HANDLE

  • 北海道大学におけるアイヌ民族に対する差別的言動を防止するための取組

    岡田 真弓, 北原 モコットゥナシ, 谷本 晃久 アイヌ・先住民研究 4 181-192, 2024-03-29

    本稿では、北海道大学におけるアイヌ民族に対する差別的言動の防止に係る取組を紹介する。アイヌ民族の人権、歴史、文化、言語を尊重し、学内のアイヌ民族が置かれた環境を改善することは、大学においてアイヌと和民族(和人)等の非アイヌが新たなパートナーシップを築く礎となる。一方、非アイヌの大学構成員にとって、差別・偏見の解消を阻む課題の本質を理解することは容易ではない。アイヌ共生推進本部では、大学構成員がア…

    DOI HANDLE Web Site

  • ニューヨーク市のアフリカ人埋葬地プロジェクト : 生物考古学におけるより高い倫理基準を求めて

    ブレイキー マイケル L アイヌ・先住民研究 4 213-232, 2024-03-29

    アフリカ系アメリカ人の政治思想と科学的実践は、長い間、アクティヴィズムとパブリックな面をもつ学問の両輪により構成されてきた。 被抑圧者のニーズによって研究が導かれることを求めるこの考え方は、集団の権利を表現するための科学的手段を提供し、多元的民主主義における過去についての議論では、被抑圧者たちの声を高めることになる。ニューヨーク市のアフリカ人埋葬地プロジェクト(1992年~ …

    DOI HANDLE

  • 20世紀初頭米国における先住民女性の政治力

    地村 みゆき 北方民族文化シンポジウム網走報告書 37 (0), 001-006, 2024-03-19

    It is said that Western colonialism and a series of federal policies that attempted to “civilize” Native Americans since the 19th century weakened social and political status of Native women within …

    DOI

  • 先住民女性のエンパワーメント

    ウラジミロワ ウラジスラワ 北方民族文化シンポジウム網走報告書 37 (0), 021-026, 2024-03-19

    ...本稿では、世界の先住民フェミニズムから得たインスピレーションをもちい、急激に変化するこの世界で、現代ロシアのニブフ女性がいかに交渉し、行動してきたかを論じる。サハリン島の異なる先住民社会で実施したフィールド調査で集めた民族誌的資料を分析する。その際、職業的生活や経済、先住民の市民活動、伝統的手工芸品の分野に焦点を当てる。...

    DOI

  • 「我々は我々がすべきことをする」

    ベロリュブスカヤ ガリーナ 北方民族文化シンポジウム網走報告書 37 (0), 015-020, 2024-03-19

    ...ソ連時代にダイヤモンドが領域内で発見されたことにより、トナカイ飼育経済を失った先住民エベンキの地域社会として、シュルデュカル村は資源採掘以前の生活に関する多くの物語を持っている。これらの物語は、移動生活、集団性、ジェンダー平等に関するノスタルジーに満ちている。その結果、地域住民は、文化復興、つまり祖先や起源への回帰に自らの未来を見出している。...

    DOI

  • ハワイ諸島の新たな病気

    EDWARDS Michael 実践女子大学短期大学部紀要 45 13-19, 2024-03-06

    ...ハワイ諸島における外来の病気は、恐怖、苦しみ、人種差別、そしてハワイ先住民の場合は人口減少をもたらしました。梅毒や淋病、コレラ、天然痘、麻疹、ハンセン病などの性病は、ハワイ諸島の解体、そして最終的には植民地化に貢献しました。この研究は、18 世紀後半から19 世紀半ばにかけて、これらの病気がハワイ人にどのような影響を与えたかを明らかにするものです。...

    DOI 機関リポジトリ

  • 2 先住民を不可視化する暴力

    石原 真衣 平和研究 61 (0), 23-51, 2024-01-31

    <p>This paper is written to identify the mutual purposes and significance of peace studies (heiwa kenkyū) and indigenous studies. To this end, it traces the roots of peace studies, introduces some …

    DOI

  • 「征服された者の見方」を超えて:マヤ政治地理学における先住民の視点の再評価

    Okoshi Harada Tsubasa 日本・スペイン・ラテンアメリカ学会誌 35 (0), 25-42, 2024

    ...私のモデルと他のモデルとの間に見られる相違は、先住民が持つ知と学問的・科学的知に基づくものとの違いであり、後者は前者を包含することが今なお出来ないでいる。最後に、新しい歴史の分析方法を模索する若き先住民出身の研究者への私の期待を述べる。</p>...

    DOI

  • 昆明・モントリオール生物多様性枠組の目標・ターゲット・指標:その内容 と有用性の解説

    池上 真木彦, 角 真耶, 石田 孝英, 山野 博哉, 香坂 玲, 石濱 史子, 亀山 哲, 小出 大, 小林 邦彦, 富田 基史, 角谷 拓 日本生態学会誌 74 (1), 85-, 2024

    ...先住民や女性といったマイノリティへの配慮が各所に見られ、気候変動枠組条約や持続可能な開発目標(SDGs)等の要素も加わりより包括的な目標となっている。また、KMGBFでは、各国の達成度合いを測定するため世界共通で利用される指標が用意され、その報告と評価のためのプラットフォームも準備されていている。...

    DOI

  • オーセンティシティを成形する

    田本 はる菜 文化人類学 88 (3), 486-504, 2023-12-31

    ...本稿では、文化創意産業(文化クリエイティブ産業)に参与し始めた台湾の先住民セデックを対象に、かれらが織りと服飾品生産を通じて、生産物と唯一の作り手の結びつきを根拠とするオーセンティシティをいかに受け入れ、遂行し、変形させうるのかを検討する。...

    DOI

  • ロシア連邦における国立公園制度の現状

    タタウロワ ナデジダ, 伊藤 幸男, 山本 信次, 林 雅秀, 滝沢 裕子 日本森林学会誌 105 (8), 284-290, 2023-08-01

    ...国立公園には私有地や先住民族等の住民が存在し,その権利に配慮する条文が追加され,それらを反映した六つのゾーニングに区分されている。近年,国立公園の条文には具体的な禁止事項が複数追加され,利用圧の高まりを反映したものと思われる。一方で,個人または法人への土地の賃貸が可能になるなど,より利用を助長する方向へと制度が改正された。</p>...

    DOI Web Site 参考文献1件

  • [翻訳] 2020年段階でのコロナ感染症の現状 : 先住民族の権利に関する国連特別報告者報告(A/75/185)

    フランシスコ・カリ・ツァイ ホセ, 角田 猛之 ノモス = Nomos 52 41-73, 2023-06-30

    ...すなわち、健康上のリスクとならんでコロナからの先住民族の回復力の源泉、パンデミックに対する国と先住民族の対応のあり方、そして、先住民族内において観られた、さまざまな制限や緊急措置がもたらしたネガティブかつ非先住民族と比較して不釣り合いな影響、等々である。そして特別報告者はそれらの検討を踏まえて、包括的な経済的、社会的復興と、将来生じうる同様な事態に対する備えに関して一連の勧告を行う。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • 先住民族の伝統的な知的成果の保護

    井手 李咲 場の科学 3 (1), 26-41, 2023-05-31

    ...一方、先住民族の伝統的な知的創造は、一定の範囲において特定の部族により数百年の長い年月をかけて形成されたもので、先住民族の文化やアイデンティティ(自己同一性)そのものである。先住民族のこのような知的創造は、単一の価値を基準としては図り切れないはずであり、これを客体とする制度設計はその特性を踏まえたものでないと適切な保護が実現できない。...

    DOI

  • 生物多様性COP15とOECMs

    香坂 玲 日本森林学会大会発表データベース 134 (0), 27-, 2023-05-30

    ...国や公的な機関が生物多様性保全を第一義的な目的で設定する保全のエリアの積上げでは限界があるという認識が広がるなかで、国以外の主体、先住民、市民社会、企業・事業者が関与する保護地域以外で生物多様性保全に資する地域(Other Effective area-based Conservation Measures OECMsと略称)への関心が高まっている。...

    DOI

  • 「核のごみ処分場」建設計画と先住アイヌ民族の時間・空間認識

    吉井 美知子, YOSHII Michiko 地域研究 (30) 1-19, 2023-04

    ...これをアイヌモシリ(北海道)の先住民族であるアイヌの人々はどう思うのか。  本研究では、時間と空間の両面からこの核のごみ施設の問題に焦点を当てた。その結果、施設受け入れによる当座の交付金をもとに地域開発を進めようとする和人の短期的な視点と、対照的に大地を子孫からの借り物として汚さずに引き継ごうとするアイヌ民族の長期的な視点が浮かび上がった。  ...

    DOI DOI 機関リポジトリ ほか1件

  • ウイルタ語北方言テキスト:お母さんのこと

    山田, 祥子 北海道言語文化研究 21 1-16, 2023-03-31

    本稿では、2010 年にエレーナ A. ビビコワ(Elena Alekseevna BIBIKOVA:1940 年生まれのウイルタ女性)から筆者が採録したウイルタ語北方言による語りをテキスト化し、訳注を付けて紹介する。語りは、語り手自身の母アンナ B. ボリソワ(Anna Borisovna BORISOVA:1917-1961)のウイルタ名や人柄を主題とする、1950 …

    機関リポジトリ HANDLE Web Site

  • [論文] 昔話「三枚のお札」と謡曲「黒塚」「山姥」 : 山と里の対比から

    津金, 澪乃 国立歴史民俗博物館研究報告 240 55-76, 2023-03-31

    ...柳田國男の『先祖の話』や山人論を参考にすると、鬼婆の背景には子のない老婆への差別視とその裏返しとしての恐怖感が、山姥とヤマハハの背景には柳田が先住民の末裔と論じている山人への恐怖感が、想定される。そして、昔話の構成要素の比較から、素朴なヤマハハタイプが古いかたち、山姥タイプが新しいかたち、鬼婆タイプがさらに新しいかたちであると分析した。...

    機関リポジトリ

  • Report on the Seminar of the Indigeneity Research Unit, GSI

    Indigenous Studies and Cultural Diversity 1 (1), 53-57, 2023-03-31

    The seminar of the Indigeneity Research Unit was held online on 21 January 2022, with the aim of discussing possible research and collaborations between unit members. Prof. Hirofumi Kato (Center for …

    DOI

  • Human Ecology and Global Health Research Unit Seminar

    Indigenous Studies and Cultural Diversity 1 (1), 58-61, 2023-03-31

    On Day Two of the Global Station for Indigenous Studies and Cultural Diversity’s (GSI) Kick- Off Symposium (22 January 2022), the Human Ecology and Global Health Research Unit (HEGHRU) held an …

    DOI

  • カナダの先住民族女性たちの現在(いま)

    矢内 琴江 北方民族文化シンポジウム網走報告書 36 (0), 015-020, 2023-03-24

    On July 25, 2022, in Canada, the Pope issued an apology for the abuse suffered in the past by children of Indigenous peoples in the country's church-run residential schools. Indigenous peoples and …

    DOI

  • アイヌのジェンダーを再考する

    北原 モコットゥナシ 北方民族文化シンポジウム網走報告書 36 (0), 027-032, 2023-03-24

    Today's Ainu are experiencing a wave of feminism and a pervasive awareness of human rights in Japanese society. On the other hand, the cultural revival movement is also an excavation of the values …

    DOI

  • ロシアにおける再軍備化と部分的移動性の文脈におけるサハ(ヤクーチア)の男性性と愛国心

    ハベック ヨアヒム オットー 北方民族文化シンポジウム網走報告書 36 (0), 049-057, 2023-03-24

    ...先住民を含むシベリア出身の兵士もこの戦争に参加している。この状況は男性性、先住性に関する問題を提起している。これはまったく新しい問題ではない。北方地域の住民は、現在の男 性性規範にも影響を及ぼすと思われる伝統的なジェンダー役割に従っていると認識されている。英雄的な男性性は、それを補足するもの、つまり戦場に送られている男性の親戚を心配するステレオタイプ的な母親像に依存している。...

    DOI

  • ヤキのトランスナショナルな交換

    Mao Fukuma, 福間 真央 国立民族学博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Ethnology 47 (4), 515-580, 2023-03-15

    ...ヤキはメキシコとアメリカに国境を跨いで居住する先住民族である。近代国 家の成立,国境の画定によって 2 つの国家に分断されながらも,ヤキは民族的 同胞意識を維持し,1990 年代以降,越境的な交換を活発化させている。中で も文化的領域で行われるトランスナショナルな交換は贈与交換のシステムとし て確立されてきた。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE ほか1件

  • カナダにおける毛皮交易の進展と先住民奴隷 : 「多くの優しからざる絆」の事例

    下山 晃 関西大学経済論集 72 (特集), 63-85, 2023-03-10

    ...200年の歴史を通じて、カナダの歴史展開の基層に広く先住民奴隷化の進展していた事実が徐々に明らかになり、カナダ史理解の常識や通説は大きく揺らぎはじめている。従来さかんにもてはやされてきて通説ともなっている「カナダにおける多くの優しい絆説」は、先住民受難の歴史を軸に据えた分析視点に立てば、全くの幻想であったことがすぐに理解できる。...

    DOI 機関リポジトリ HANDLE

  • 高等教育機関におけるアイヌ民族へのマイクロアグレッション

    北原 モコットゥナシ アイヌ・先住民研究 3 3-33, 2023-03-01

    本稿では、アイヌ民族の就労・学習環境のうち、大学組織を例にマイクロアグレッションの態様と対策を検討する。大学におけるマイクロアグレッションは、教職員から同僚へ、教職員から学生へというケースに加え、学生から学生へ、学生から教職員へというケースも存在する。学生の認識が形成された過程について本稿では詳しく検討していないが、言動の内容としては教職員が発するものと酷似していること、一部に保護者や教職員を含…

    DOI HANDLE Web Site

  • アタヤル語群における「オヤ」と「オヤのオヤ」の再建

    落合 いずみ アイヌ・先住民研究 3 63-82, 2023-03-01

    オーストロネシア語族のアタヤル語群(アタヤル語とセデック語)において、「父」「母」「祖父」「祖母」を表す語を分析し、アタヤル語群祖語における形式を再建する。アタヤル語とセデック語の「父」の形式abaとtamaを比較しても、「母」の形式ayaとbubuを比較しても、アタヤル語群祖語が再建できないが、オーストロネシア祖語に*ayaという形式があり「親」と再建されうる。そのためアタヤル語のaya「母」…

    DOI HANDLE Web Site

  • Obstetrical Emergency Training Program for Traditional Birth Attendants in a Guatemalan Indigenous Community

    池添 日菜, 堀内 成子 聖路加国際大学紀要 = Bulletin of St. Luke’s International University 9 104-109, 2023-03

    ...大多数を先住民が占め,国内において様々な分野で遅れをとっているキチェ県ホヤバフ市のホヤバフ地域病院に所属し,母子保健にまつわる課題解決に取り組んだ。キチェ県の妊産婦死亡率は常に国内上位であり,今でも伝統的産婆(TBA)による自宅分娩が半数以上を占めている。TBAは,毎月開催される保健所・保健センター主催の講習会への参加が義務づけられている。...

    DOI 機関リポジトリ 医中誌

  • 語彙近代化と新語作りを通じての言語復興 : アイヌ語の語彙近代化の現状と今後の課題

    イヤス シリヤ アイヌ・先住民研究 3 117-160, 2023-03-01

    ...分析は、アイヌ語をはじめとする先住民族言語の語彙近代化に関する先行研究をレビューすることによって行われる。その結果、いくつかの事業でアイヌ語の新しい語彙が開発されているものの、新語作りのためのガイドラインが確立されておらず、事業の成果のまとめも発表されていないことがわかった。本稿では、アイヌ語復興には、語彙近代化を調整する言語計画機関の設立が有効であることを主張する。...

    DOI HANDLE Web Site

  • アイヌ語の否定表現 : 類型論的観点から

    ヌルミ ユッシ アイヌ・先住民研究 3 83-115, 2023-03-01

    本研究では現在まで明らかにされていない、そしてあまり研究対象とされていないアイヌ語の否定表現を類型論的な観点から調べることとする。否定はある命題の真偽を表すのみならず、様々なコンテクストによる語用論的な意味も見られる。本研究では、Miestamo (2016)の方法を参考にし、アイヌ語における否定を総合的にまとめることを目標とする。また、先行研究や文法書などに具体的に扱われていない、統語的に否定…

    DOI HANDLE Web Site

  • アイヌ民族に対するマイクロアグレッション : 博物館や技術講習会などの学習施設での体験

    北嶋 イサイカ アイヌ・先住民研究 3 35-46, 2023-03-01

    アイヌ民族に対する差別は、以前はあからさまな表現であったが、現在は日常に溶け込み、見えにくい言動となった。発言者の意識の有無にかかわらず、マイクロアグレッション(小さな攻撃)がおこり、発言者さえ攻撃をしていると気付かないことがある。また、受け手もその言葉に小さな不満をもつが、それがどの言動なのか分からず、なぜ自分がイライラするのか理解できずに戸惑う場合がある。本稿は、その見えにくい攻撃について、…

    DOI HANDLE Web Site

  • ウォーカブルシティ入門

    谷口 守 運輸政策研究 25 (0), 67-67, 2023-02-28

    ...</p><p>先住民を隅に追いやり,広い国土で自動車前提のまちづくりを進めてきた米国は,ようやく自動車前提ではないまちづくりの重要性に今「論理的に」気付いたのだ.このため,著者は現在まで自動車道整備を進めてきた交通エンジニアに対し痛烈な批判を展開している.一方,日本ではかつて身近に溢れていたウォーカビリティを市民自らが積極的に放棄してきた.ちなみに,わが国では大型ショッピングセンターのある自治体の居住者...

    DOI

  • アラスカ遠隔地における廃棄物処理の特徴,制度,人びとの問題認識

    石井 花織 Material Cycles and Waste Management Research 34 (1), 24-31, 2023-01-31

    ...<p>米国アラスカ州には,先住民が暮らす小規模な村が多数遠隔地に存在する。アラスカ遠隔地における生活廃棄物処理は,輸送コストや気候変動の影響等の地理的側面の課題に加えて,既存の法制度の枠組みで対処することが困難であるという社会的側面の課題も存在する。そのため,制度上の責任主体である村の統治組織に加え,国際機関や先住民組織,NPO等の外部主体が重要な役割を果たしている。...

    DOI Web Site 参考文献5件

  • 米国アラスカ州カクトヴィック村の廃棄物処理とホッキョクグマ観光

    近藤 祉秋 Material Cycles and Waste Management Research 34 (1), 18-23, 2023-01-31

    ...<p>北極先住民コミュニティでの廃棄物処理は,人間社会と自然環境,両面での変化を受けており,彼らのウェルビーイングに対する脅威となりうる。本稿では,筆者が2019年8月に訪問したカクトヴィック村で見聞した内容と各種報道で得られた情報をあわせて報告する。...

    DOI Web Site 参考文献2件

  • グリーンランドローカルコミュニティにおける廃棄物処理の変遷と展望

    東條 安匡, 林 直孝, Koots Simon Material Cycles and Waste Management Research 34 (1), 32-41, 2023-01-31

    ...元々は先住民が自然と共生する伝統的な生活を営んでいたが,今日ではさまざまな物品が流入し,欧米風の生活が一般的になっている。結果的にわれわれの社会と類似の廃棄物が発生するが,輸送手段が限られていること,他地域とは離隔していることなどの点から,すべての廃棄物が無造作に投棄もしくは野焼きされてきた。グリーンランドも例に違わず,廃棄物の処理,処分に多くの課題を抱えてきた。...

    DOI Web Site Web Site 参考文献3件

  • ペルーアマゾンにおける先住民の村の焼畑と休閑地利用

    池谷 和信, 増野 高司 日本地理学会発表要旨集 2023s (0), 203-, 2023

    ...</p><p> 本報告では、アマゾン熱帯林のうちアマゾン川の最上流域にあたるペルーアマゾンの先住民の村を対象として、焼畑の実態と休閑地利用について把握することをとおして森林環境問題について考えてみたい。すでに、筆者の一人は、調査地においてペッカリー狩猟、その肉や皮の流通を報告してきた(池谷2022)。現地調査は、2020年2月にペルーアマゾンの先住民の村にて行われた。...

    DOI

  • スウェーデン・フィンランド国境にまたがる新都心建設がもたらす経済効果

    前田 陽次郎 日本地理学会発表要旨集 2023s (0), 82-, 2023

    ...ハパランダはスウェーデン人、フィンランド人、先住民のトルネダリアンがほぼ3分の1ずつで、全員スウェーデン語を話せる。人口はトルニオが約2万人、ハパランダが約1万人である。トルニオは工業従事者が多いが、両都市とも医療福祉関係の就業者が多い(表)。</p><p> 国境をまたいだ新都心の建設がEU Interreg Aプロジェクトを中心に進められている。...

    DOI

  • 「無知なエンジニア」の戯画

    神崎 隼人 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), C13-, 2023

    ...本発表では、アマゾニア先住民が笑い、それに私は戸惑ったという場面から、彼らから見た他者の無知ぶりの「戯画化」を民族誌的に検討する。...

    DOI

  • 多様な祖先の眠る景観における意味づけの絡み合い

    木村 彩音 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), E02-, 2023

    ...本発表では、オーストラリア先住民トレス海峡諸島民のなかでも、移民の祖先をもつ木曜島の人々を対象に、島の墓地の「景観」に対する彼らの意味づけの絡み合いを検討することを目的とする。彼らは多様な祖先を持つことを背景に、墓の景観に対して様々な意味づけをしており、それが絡み合っているような状況が見られる。公的な歴史との対比から、こうした彼らの景観へのまなざしを論じる。...

    DOI

  • 写真からみた熱帯・温帯の焼畑技術と土地利用

    池谷 和信 日本地理学会発表要旨集 2023a (0), 122-, 2023

    ...ペルーアマゾンにおける先住民の村の焼畑と休閑地利用. 日本地理学会発表要旨集103: 210. 池谷和信ほか 2022. 討論 焼畑は環境破壊かー池谷和信・米家泰作・佐藤廉也』焼畑を再考する① 新たな焼畑像を探る―佐々木高明の研究を超えて. 季刊民族学46(3): 105-107. 佐々木高明 1970. 『熱帯の焼畑-その文化地理学的比較研究-』古今書院. 佐藤廉也 1999....

    DOI

  • オーストラリアにおけるスポーツと不平等~葛藤と止揚

    尾崎 正峰 日本体育・スポーツ・健康学会予稿集 73 (0), 8-, 2023

    ...<p>オーストラリアの社会には「主流」のアングロ=ケルティック系の人々と移民や先住民との間に不平等が長く、そして根深く横たわっていたが、1970年代、政治主導で「白豪主義」から多文化主義に舵を切った。その後の道のりは決して平坦ではなかったとはいえ、現在に至るまでの彼の地の経験は今後への示唆を多く含んでいる。では、オーストラリアのスポーツは不平等にどのように向き合ってきたのだろうか。...

    DOI

  • 持続可能な開発のための伝統的知識と教育

    奥山 英登 日本科学教育学会年会論文集 47 (0), 651-652, 2023

    ...<p>持続可能な開発目標(SDGs)や生物多様性など、持続可能な社会の構築のためにさまざまな取り組みがなされている.日本国は、これら関連する条約等の締約国であるが、文化多様性条約については批准していない.生物と文化の多様性、SDGsは密接に関連しており、「伝統的知識」(先住民族の知識)と「教育」が共通したキーワードとして挙げられる.現代科学のみならず、「日本土着の知識」と「先住民族の知識」の教育が求...

    DOI

  • チリの2022年新憲法案はなぜ国民投票で否決されたのか

    三浦 航太, 北野 浩一 ラテンアメリカ・レポート 39 (2), 1-16, 2023

    <p>2022年9月4日に行われた新憲法案承認をめぐる国民投票の結果、1年にわたり制憲会議で作成されてきた新憲法案は否決された。本稿の目的は、なぜ新憲法案が否決されたのかを検討することにある。まず、制憲会議には市民社会組織での活動経験をもつ多様な関心テーマや政策提案をもつ議員が多数選出された。制憲会議では、そうした特徴をもつ議員たちによる個別の発議をもとに、議論が進められた。その結果、多民族国家…

    DOI

  • 『フェミニスト・シティ』を読む(1)

    関村 オリエ, 熊谷 圭知, 久木元 美琴 日本地理学会発表要旨集 2023s (0), 305-, 2023

    ...「どうすれば私たちは空間,とりわけ都市の空間を創り出したり変えたりして,人生にわたって私たちを支えてくれるような関係性を実践し,維持できる可能性を押し広げられるか」(カーン2022:118) </p><p><u>4.インターセクショナリティの視点</u> 都市空間における女性の友情とは,そのものが資本主義イデオロギーへのカウンターであり,独自のエコノミーである.フェミニスト・シティとは,女性,先住民...

    DOI

  • デジタル返還の展望と課題

    平野 智佳子 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), D19-, 2023

    ...本発表では、民博のオーストラリア先住民の物質文化に関するアーカイブズ構築プロジェクトの概要を示し、デジタル返還の展望と課題を考える。日本は戦争、植民地支配、貿易を通じてオセアニアの文化財を収集した。これらの資料は先住民やその子孫にとってアクセスが難しく沈滞の危機にあるが、現在では歴史、社会的な背景が再考され、返還が活発化している。本発表はデジタル返還に着目し参加型アーカイビングの可能性を検討する。...

    DOI

  • 先住民の文化の保護と復興

    土井 冬樹 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), D12-, 2023

    ...ニュージーランドの先住民であるマオリは、タオンガ(taonga: 有形無形の重要なもの)に対して、保護や管理を意味するカイツィアキタンガ(kaitiakitanga)に基づいた関わりを重視している。本発表では、カイツィアキタンガに基づくマオリの保護や復興がいかなるものなのか、ユネスコの無形文化遺産条約や日本の無形文化財保護の姿勢との違いに触れながら議論する。...

    DOI

  • 伝統織物のデザインとその剽窃行為に関する一考察

    本谷 裕子 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), D22-, 2023

    ...グアテマラのマヤ先住民族の女性の織り手たちによる創造品(織物と伝統衣装)とその集団的知的財産権保護の見地から、当発表ではマヤ集落内(あるいは集落間)でおこなわれるデザイン(紋様)の複製行為に着目する。そして、デザイン(紋様)の複製が認可されるケースと剽窃と見なされるケースとを比較検討し、マヤ女性の織り手たちが共有するデザイン(紋様)の複製に関する不文律とその論理を解明する。...

    DOI

  • アラスカ先住民村における廃棄物処理の環境実践と支援者-被支援者の関係

    石井 花織 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), H01-, 2023

    ...アラスカの先住民村では、近代化や気候変動に伴い生活廃棄物の処理が問題とされている。その解決のため、制度上の責任主体である地方行政に加えて政府やNPOなど多様な主体が関与しており、助成金を介した国家や市場経済システムとのつながりの強化といった間接的な影響が現地社会に生じている。本発表では、村側の主体性や多様性に着目し、廃棄物問題への対処という環境実践が人間社会にいかなる影響を及ぼすのか考察する。...

    DOI

  • 共生社会の実現を目指したナラティブ

    棚橋 沙由理, 山本 桃子, 白岩 志康 日本デザイン学会研究発表大会概要集 70 (0), 154-, 2023

    ...先住民族サーミの文化財をめぐる動きに焦点を当てて、人が尊厳を守られながら生きること,そして自分同様,他者も丁寧に接することといった人と人とが共生することといったことを共有するための螺0―ニングデザインを共有したい。</p>...

    DOI

  • 北アメリカ北西海岸先住民社会の変化と先住民アート

    岸上 伸啓 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), D10-, 2023

    ...本発表の目的は北アメリカ北西海岸先住民のシルクスクリーン版画の特徴と変化について検討するとともに、変貌を続けてきた北西海岸先住民社会において版画が果たした役割について考察を加えることである。版画は1960年代に欧米社会から導入された新たな媒体である。世界の変化が北西海岸先住民版画の内容や技法に変化をもたらしてきた一方で、版画は彼らの独自の文化や意見を社会一般に発信し、影響を与える重要な手段である。...

    DOI

  • 連帯のための「ものがたり」としてのゲラゲッツァ

    山越 英嗣 日本文化人類学会研究大会発表要旨集 2023 (0), G08-, 2023

    米国に移住したメキシコ人に対しては、これまで「同化を拒む、閉鎖的な文化分離主義者」というネガティブな見方が支配的であった。それに対して本発表は、オアハカ人(オアハカ州出身者)同郷会がロサンゼルスで実施する伝統的祝祭に着目し、それがオアハカ人同士の差異や多様性を可視化する場であるとともに、他のエスニックマイノリティとの連帯を行う場ともなっていることを論じる。

    DOI

  • 生物多様性と30by30 目標に関する昨今の国際動向

    浜 一朗 環境情報科学 51 (4), 15-20, 2022-12-28

    ...最後に,30by30 目標の国際的議論における留意点として,面積(量)を目標に掲げることの弊害,経済的立場による国同士の利害の対立,先住民等への配慮,科学的根拠の4 点について触れた。</p>...

    DOI

  • 過去の被害/加害, 歴史的正義/不正義, そして帝国の記憶

    井野瀬 久美惠 学術の動向 27 (12), 12_64-12_69, 2022-12-01

    ...植民地的状況で起こったアイルランド大飢饉、奴隷貿易・奴隷制度、先住民の遺骨・遺物の簒奪、脱植民地化過程における暴力──20世紀末から21世紀にかけて想起されたこれらの歴史的不正義は、当時のリアルな文脈を離れ、互いに互いの記憶を刺激しあって論点を変え、若者たちを担い手に加えつつ、共感、連帯をグローバルに広げている。...

    DOI Web Site

  • 大学における多様性、公正、包摂の組織的推進と主要業績指標に関する研究

    鳥居 朋子 大学情報・機関調査研究集会 論文集 11 (0), 144-149, 2022-11-11

    ...ANUはすべての人を包み込み、支え合い、協力し合える環境の提供を志向しているが、戦略的計画を実質的に遂行するための「事業計画2022-2025」では、とくに先住民、低社会経済層、地方や農村等の国内学生の参加に重点が置かれ、関連する活動内容や主要業績指標等が可視化されている。...

    DOI

  • アマゾン先住民の知恵が人類存続の鍵になる

    南 研子 平和研究 58 (0), 1-17, 2022-10-15

    ...ブラジルのボルソナーロ大統領は、こうした状況をさらに悪化させるかのように先住民を追いつめている。他方で、遠く離れた日本に住む私たちの身の回りでも、鶏肉がコンビニやファストフード店で売られているが、それはブラジル産であったりする。その鶏は大豆で育てられているため、大豆栽培のために熱帯林がどんどん伐採・消失していく。...

    DOI

  • 国立アイヌ民族博物館の設立と果たすべき役割

    佐々木 史郎 国立アイヌ民族博物館研究紀要 2022 (1), 9-39, 2022-09-30

    ...本稿ではこのような「国立博物館」が設立された経緯とこれから果たすべき役割について、政府がアイヌ政策推進と民族共生象徴空間整備のために設置した有識者懇談会、委員会、作業部会等の報告書類を主要な資料として、それを文化人類学などによる先住民族研究の成果を利用して分析しつつ論じた。...

    DOI

  • アイヌ民族の伝承を活用した災害教育の実践と課題

    シン ウォンジ, 八幡 巴絵, 奥山 英登 国立アイヌ民族博物館研究紀要 2022 (1), 66-79, 2022-09-30

    ...災害に関する地域固有の伝承を活用した災害教育は各地で行われているが、本学習プログラムは先住民族であるアイヌ民族の伝承を対象にした。本稿は、学習プログラムの概要やその内容、参加者による評価をまとめたものであり、参加者による評価に基づいて科学と先住民族の伝承を合わせた災害教育の効果について考察する。...

    DOI

  • アイヌ民族の〈現在〉〈日常〉を展示する

    関口 由彦 国立アイヌ民族博物館研究紀要 2022 (1), 102-113, 2022-09-30

    ...従来の「未開」/「文明」という二分法に基づく展示を乗り越えようとすることが「伝統」/「現代」といった二分法の固定化に横滑りしかねないという課題について、首都圏への移動という暮らしの変化を経た、先住民族アイヌの文化伝承活動の〈現在〉の事例を踏まえて考察する。...

    DOI

  • 海外における小規模水供給施設の実態と課題

    小熊 久美子 保健医療科学 71 (3), 234-240, 2022-08-31

    ...</p><p>カナダでは,一部の大都市に人口が集中する一方で遠隔地では極めて低密な居住実態があり,そのような地域には集落単位で運営する小規模な水供給施設が相当数存在する.それらの施設では水質に課題があるケースが散見され,煮沸勧告など水利用を制限する勧告が 1 年を超えて継続的に示されている施設も複数存在する.遠隔地に多いカナダ先住民の生活支援策という観点でも小規模水供給施設を重視するカナダ政府の基本方針...

    DOI

  • 貝の毒化を監視せよ : アラスカの海辺に温暖化の脅威

    K. ピンチン 日経サイエンス 52 (8), 74-87, 2022-08

    ...貝を採るアラスカ先住民の多くは長年,海が温かくなる夏の間の潮干狩りは避けてきた。有毒藻類の大量発生「有害藻類ブルーム」が起きやすく,藻類の毒素を魚介類が取り込んで体内に蓄積する可能性があるからだ。...

    PDF Web Site

  • 音楽に見る文化伝承と先住民族の権利

    松村 麻由 北ヨーロッパ研究 18 (0), 87-95, 2022-07-01

    ...サーミは北欧のマイノリティの立場に置かれている先住民族である。本稿では、サーミの伝統的歌唱様式であるヨイクを中心に据えて活動している二人のサーミ人女性アーティスト――Mari Boine、Ella Marie Hætta Isaksen――の自己表象における共通性や違いを探り、サーミが問題視する内容について検討した。...

    DOI

  • 生物多様性に関する国際プロセス:昆明COP15とランドスケープ・アプローチ

    香坂 玲 日本森林学会大会発表データベース 133 (0), 85-, 2022-05-30

    ...概念として同アプローチは、生物多様性条約の2014年での決議(貧困の根絶と持続可能な開発のための生物多様性)(XII/5)で初出し、その後の専門家会合において先住民等の住民参加型という含意が強調された。IPBES(2019)グローバル・アセスメントでも流域管理と合わせマルチ・セクターの手法としている。...

    DOI

  • 香山六郎による日本語・ツピ語同祖論の社会的影響に関する一考察 : ブラジルにおける日本語新聞を中心に

    ナガオ, ナオヒロ, Nagao, Naohiro 名桜大学紀要 (27) 29-41, 2022-03-31

    ...本研究は,第二次世界大戦後におけるブラジル日本移民の自己表象の多様性を示す一環として,日本移民のブラジル国民統合モデルへの接近の一事例について,その社会的影響力の再評価を行うものである.ブラジルへの移民当初より日本人と先住民の類似性に注目していた香山六郎は,第二次世界大戦での日本敗戦を巡る日系コロニア内部の紛争が後を引いていた1951年に日本語と先住民語の小辞典を編纂した.香山による日本人と先住民の...

    機関リポジトリ

  • 日本における人権教育の課題―― 政府の役割及び展望 ――

    バックリー  節子 教育研究 (64) 79-86, 2022-03-31

    ...何世紀にも渡り,日本人は単一民族だと信じられてきたが,2007年の国連総会で世界の先住民族の存在が承認され,先住民族である少数民族の人権を保証することが可決された。翌年日本政府もアイヌが日本の先住民族であることを承認した。しかし,アイヌをはじめ,日本における少数民族の人権擁護は日本人の排他主義のために未だ不十分である。本稿はまず歴史的視野から日本における少数民族の人権問題を提起する。...

    DOI 機関リポジトリ Web Site

  • 小史から探るオーストラリア ー子どもに関する二題ー

    髙橋, 一郎, 櫛田, 英代, TAKAHASHI, Ichiroh, KUSHIDA, Hideyo 桜花学園大学保育学部研究紀要 (25) 81-92, 2022-03-15

    ...この間、先住民族との軋轢、及び有色人種への差別など、幾多の変遷を経て今日の多文化主義を採るオーストラリア社会が成り立っている。歴史、社会における出来事は、その時代を大きく転換させて後世まで細かく伝えられるものから、歴史教科書には載ることもなくその場のニュースで扱われた程度のものもある。本稿では後者を掘り起こすことでこれを【小史】と位置づけ、オーストラリアにおける個別の事案を取り上げることにした。...

    機関リポジトリ

  • 法の記録と正義の記憶 : Louise ErdrichのThe Round House再読

    小池 理恵 常葉大学大学院国際言語文化研究科研究紀要 (3) 1-17, 2022-03

    ...アメリカ先住民オジブウェ(Ojibwe)族の血を引く作家ルイーズ・アードリック(Louise Erdrich, 1954 - )は、正義三部作の二作目である The Round House(2012)において、法で守られることのないアメリカの先住民は、正義の実践とどのように向き合うのか、という問題に正面から取り組んでいる。...

    DOI 機関リポジトリ Web Site

  • 先住民族及び少数民族の遺産と人権

    ニコラス ジョージ アイヌ・先住民研究 2 141-159, 2022-03-01

    ...遺産はすべての社会にとって重要であるが、先住民族やその他の少数民族は、植民地主義やその他の歴史的破壊の結果、長い間遺産をほとんど管理することができなかった。さらに先住民族の遺産に対する概念は、一般に支配的な人々のそれとは大きく異なっており、この問題はさらに複雑化している。...

    DOI HANDLE Web Site

  • オーストラリアへ渡ったアイヌ民族の遺骨と小金井良精

    加藤 博文 アイヌ・先住民研究 2 31-56, 2022-03-01

    ...本論は、日本人初の解剖学教授である小金井良精が関わった国際的な先住民族の遺骨交換についてオーストラリアの研究者との関係から取り上げたものである。具体的には、オーストラリア国内の博物館に残された資料と小金井良精に自身による日記の記述を対比することで、交換されたアイヌ民族の遺骨の由来と履歴を検証した。また日豪双方で関与した研究者について検討を加え、先住民族の遺骨が国際的に交換された背景の解明を試みた。...

    DOI HANDLE Web Site

ページトップへ