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 岡山県笠岡市に整備中の国道2号笠岡バイパスで、道路盛り土の一部が崩壊していたことが分かった。変状範囲は幅約40m、延長約100mに及び、高さ2.5mの段差などが生じた。国土交通省岡山国道事務所は原因究明と対策工法の検討のため、有識者でつくる対策検討会を開催する。同事務所が2024年6月21日に発表した。

笠岡バイパスの盛り土の変状状況(写真:国土交通省岡山国道事務所)
笠岡バイパスの盛り土の変状状況(写真:国土交通省岡山国道事務所)
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 供用中の側道と排水路に挟まれた箇所で、24年1月11日に変状が生じた。盛り土の排水路側が沈下し、段差や亀裂が発生。排水路側の法面が押し出された。当日、雨は降っていなかった。

笠岡バイパスなどの位置図(出所:国土交通省岡山国道事務所)
笠岡バイパスなどの位置図(出所:国土交通省岡山国道事務所)
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高さ約1.5mの段差や幅20cmの亀裂(写真左)、高さ2.5mの段差を伴う開口(写真右)などが生じた(写真:国土交通省岡山国道事務所)
高さ約1.5mの段差や幅20cmの亀裂(写真左)、高さ2.5mの段差を伴う開口(写真右)などが生じた(写真:国土交通省岡山国道事務所)
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 岡山国道事務所では変状箇所の盛り土を撤去し、その下にある地盤の調査を実施している。同事務所によると、詳細な原因は不明だが、地盤が想定よりも軟弱で、盛り土を支えられなかった可能性がある。排水路側の法尻で、盛り土の押さえが十分に効かなかったことも考えられるという。同事務所では、盛り土自体の施工に問題はなかったと見ている。

 変状箇所を含む延長765mの工区は、天野産業(笠岡市)が約3億2600万円で受注。23年9月~24年3月の工期で施工を進めていた。既に工期末を過ぎているものの、変状を受けて工事が止まっており、再開のめどは立っていない。

2024年5月に撮影した現場。変状のあった盛り土を撤去した(写真:国土交通省岡山国道事務所)
2024年5月に撮影した現場。変状のあった盛り土を撤去した(写真:国土交通省岡山国道事務所)
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