パリ郊外 警察官銃撃で少年死亡 抗議活動拡大 180人以上拘束

フランスのパリ郊外で17歳の少年が警察官に銃で撃たれて死亡する事件をきっかけに、各地で警察への抗議活動が広がり、一部では暴動に発展し、これまでに180人以上が拘束される事態となっています。

フランスの捜査当局によりますと、パリ郊外のナンテールで27日、17歳の少年が、車の停止命令に応じなかったとして、交通検問中の警察官に銃で撃たれて死亡する事件が起きました。

事件を受けて、警察への抗議活動がフランス各地に広がりました。

一部では警察署や車に火を放つなどの暴動に発展し、フランス内務省は29日、これまでに180人以上が拘束されたと発表しました。

ロイター通信は現場をとらえたとみられる映像を公開し、この映像では警察官が停車中の車の窓越しに銃を突きつけて車が発進した直後に発砲した様子が映っています。

捜査当局によりますと、少年に発砲した警察官は身柄を拘束され、殺人の疑いなどで捜査が行われています。

フランスでは去年、交通の検問中に警察官による発砲で死亡した人は、これまでで最も多い13人に上り、警察に対する批判が高まっていました。

フランス内務省は事態の収拾に向けて、4万人の警察官を各地に派遣すると発表したほか、マクロン大統領も国民に冷静な対応を呼びかけています。