Qアノンのサインを掲げ、トランプ大統領(当時)を一目見ようと待つ支持者たち(2018年8月2日)。
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- アメリカでは、共和党支持者の約25%がインターネット上で陰謀論を展開する「Qアノン」の主要な主張を信じている。
- アメリカ人全体では15~20%の人々が、Qアノンの主張に「完全に賛同」または「ほとんど賛同」と答えている。
- 右派メディアの情報を消費している人は、Qアノンを信奉している可能性が非常に高い。
アメリカの公共宗教研究所(PRRI)の最新調査によると、共和党支持者の約25%は、アメリカ政府、メディア、金融業界が悪魔を崇拝する小児性愛者ら —— 世界的な子どもの性的人身売買活動を行っている —— によってコントロールされていると信じていると答えたという。
この信念は、極右陰謀論「Qアノン」の核となる主張の1つだ。Qアノンは、トランプ前大統領がホワイトハウスを去ってから数カ月が経った今でも、極右の思考を支配し続けている。そして、さらに多くの共和党支持者(28%)がQアノンのその他2つの主張 —— 「嵐」がやってきて、力のあるエリートを追放し、この国の正しい指導者たちを復活させるという考えと、アメリカを救うためには「愛国者ら」が暴力を行使しなければならないかもしれないという考え —— を信じている。
アメリカ人全体では15~20%の人々が、Qアノンの3つの主張に「完全に賛同」または「ほとんど賛同」と答えている。この調査では、政治的志向や情報消費、社会経済的・人口統計学的属性といった多くの要素が陰謀論の信奉と関連していることが分かった。Qアノンを信じている共和党支持者は、民主党支持者や無党派層よりも圧倒的に多い。
中でも、右派メディアの情報を消費していると、Qアノンを信奉している確率が非常に高い。極右メディアを最も信用しているという人は、ABCやCBS、NBCといったテレビ局を最も信用しているという人に比べて、Qアノンを信じている可能性が9倍近く高い。
そして、Qアノンを信じている人たちは、他のさまざまな陰謀論を信じている確率も高い。Qアノンを信じている人の70%以上が、2020年の大統領選はトランプ前大統領から「盗まれた」と信じている。
全体では、29%のアメリカ人が、選挙が盗まれたというのはトランプ前大統領の嘘だと考えている。
PRRIの調査は3月8日から3月30日まで、全米50州の成人5625人を対象に行われた。
(翻訳、編集:山口佳美)