ゴールボール
ゴールボール(英語:goalball)は、目隠しをしながら鈴の入ったボールを転がし、ゴールに入れることで得点する視覚障害者の球技で障害者スポーツの1つ。第二次世界大戦の傷痍軍人のリハビリテーションとして考案され、ヨーロッパでは盛んに行われている。パラリンピック正式種目。
ルール[編集]
1チーム3名による対戦形式。前半10分、後半10分、ハーフタイム3分で1試合となる。延長は3分×2、ゴールデンゴール形式で行なう。
競技用具・服装[編集]
ジャージなどを着る。選手は全員、目の上にガーゼの眼帯をした上に黒く塗られたアイシェード(目隠し)を着け、中に鈴が入ったゴムボール(1.25kg)の音を聞きながら競技する。試合中にアイシェードに触れる行為は反則となる。
競技施設[編集]
競技は屋内で行われ、縦18m×横9mのバレーボールと同じ広さのコートを用いる。コートの両端に9m幅、高さ1.3mのサッカーゴールに似たゴールポストがある。コートのラインには紐が入れてあり触って確認できるようになっている。
歴史[編集]
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1946年、オーストリアのハンツ・ローレンツェン(Hanz Lorenzen)とドイツのゼップ・ラインドレ(Sepp Reindle)が第二次世界大戦で目を損傷した傷痍軍人のリハビリテーションとして考案、視覚障害者のためのスポーツとして紹介したのが始まりとされる。1976年のトロントパラリンピックで公開種目となり、1978年にはオーストリアで第1回世界選手権大会が開催された。パラリンピックでは1980年のアーネム大会より正式種目となっている[1]。欧州選手権は1983年に第1回大会が行われた[2]。2006年のフェスピック、クアラルンプール大会でも実施種目の1つとなった。
日本では1982年、デンマークのクラウス・ボスが東京都立文京盲学校で紹介したのが最初であるが、本格的な普及は1992年、日本身体障害者スポーツ協会が競技規則を翻訳、これを受けて全国各地の障害者スポーツセンターで競技されるようになってからである。1994年、日本代表が北京フェスピックに初参加(4位)、同年、日本ゴールボール協会が発足した。日本は2004年のアテネパラリンピックで女子チームが銅メダルを獲得、2012年のロンドンパラリンピックでも女子チームが金メダルを獲得した。
おもな競技会[編集]
パラリンピックの正式種目であるほか、国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)が世界選手権を4年ごとに開催している。競技が盛んなヨーロッパでは欧州選手権も行われている。日本では日本ゴールボール協会による日本ゴールボール選手権がある。
参考文献[編集]
- IBSA「ゴールボール競技規則」(2006 - 2010年版、英語)
- 日本ゴールボール協会「ゴールボールについて」
- 香田泰子「視覚障害者のアダプテッド・スポーツ」、矢部京之助・草野勝彦・中田英雄編『アダプテッド・スポーツの科学――障害者・高齢者のスポーツ実践のための理論」市村出版、2004年、pp. 153-154. ISBN 4902109018
註[編集]
- ^ International Paralympic Committee. “Goalball: History” (英語). 2009年3月9日閲覧。
- ^ Goalball Germany. “Geschichte” (ドイツ語). 2009年3月9日閲覧。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
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